みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほ)と日本IBMは2月1日、ビジネスに特化したAIおよびデータ・プラットフォームであるIBM watsonx(以下、watsonx)の基盤モデルを活用し、みずほのシステム運用における品質向上と効率化を目指す実証実験を、2023年8月から3カ月間、共同で実施したと発表した。
この結果、イベント検知におけるエラーメッセージの監視と対応で98%の精度を実現した。今後は対象となるシステムを拡張して検証を進め、最終的には運用の自動化を目指すとしている。
社会インフラでもある銀行システムの運用では、正確性はもちろんのこと、不具合発生時の早期復旧が求められる。しかし現在の手法では、エラーを検知してもそのメッセージのパターンが複数あるため、障害の規模が大きい場合はメッセージ量の増加も相まって、熟練のオペレーターであっても原因の特定から復旧までにかなりの時間を要していた。
そこで、みずほと日本IBMは、watsonxの基盤モデルを活用し、エラー検知の効率化に向けた実証実験を実施した。
生成AIにインシデント対応で誤りが発生しそうなパターンを追加し、イベント検知での一連の運用を支援するアプリと、watsonxの基盤モデルを連携させ、イベント検知におけるエラーメッセージの監視と対応で98%と高い精度を実現したことで、復旧までの最短手順を案内することが可能となり、復旧スピードの向上が期待できる結果となった。
さらにwatsonxを利用することで、一層の可用性・機密性の確保が必要な場合のオンプレミスでの稼働や、現場担当者による監視・運用メニューの柔軟な設定変更が可能となる。
みずほと日本IBMは、watsonxの基盤モデルを活用したイベント検知と対応を拡大し、本番環境への適用を来年度に実施する予定。また生成AIを活用したインシデント管理と障害分析高度化にも取り組み、運用のさらなる効率化・高度化を進めていく。
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