ご無沙汰しています。久々の Hack! ですが、今回はnode.jsについて、ショートバージョンのコラムとなります。
中部システム(以下、CSC)の最近開発では、IBM iを利用するシーンでもクライアント・サイドの場合、node.jsを使用する機会が増えました。そんな時、皆様はnodeのパッケージ管理に何をお使いでしょうか?
npmが多いかもしれませんが、CSCではyarnを使用することが多く、今回はIBM iのnode.js環境にyarnを導入する方法をご紹介します。前提としては、IBM i上でyumが利用できる状態になっている必要があります。
IBM i node.js V14の導入
執筆時点(2022.09.06)のIBM iのnode.jsの最新バージョンは、nodejs14.ppc64 14.19.1-1 ibm となります。まずは、こちらを以下のコマンドで導入します。ACSを使用することも可能です。すでに環境が存在している場合は、この手順をスキップしてください。
yum install nodejs14
corepackを有効にする
node.js V14以降は、corepackという名のパッケージが標準でバンドルされています。こちらは、npmやnpx、yarn、pnpmなど node.js の開発において、当たり前に利用されるツール類をパッケージ化したものです。もちろん IBM iにも付属しているので、まずはcorepackコマンドを使用して、corepackを有効にします。
corepackコマンドを利用するには、/QOpenSys/pkgs/lib/nodejs14/bin/にパスを通す、またはカレント・ディレクトリとするか、/QOpenSys/pkgs/lib/nodejs14/bin/corepack のフルパス指定で実行してください。
cd /QOpenSys/pkgs/lib/nodejs14/bin/
./corepack enable
しばらくするとコマンドが終了し、/QOpenSys/pkgs/lib/nodejs14/bin の中にcorepackで提供されているコマンドのシンボリックリンクが作成されているはずです。
corepackに何が含まれているかは、/QOpenSys/pkgs/lib/nodejs14/lib/node_modules/corepack/dist を見るとわかります。
ls -la /QOpenSys/pkgs/lib/nodejs14/lib/node_modules/corepack/dist
-rwxr-xr-x 1 qsys 0 524861 2022-03-22 02:48 corepack.js
-rwxr-xr-x 1 qsys 0 86 2022-03-22 02:48 npm.js
-rwxr-xr-x 1 qsys 0 86 2022-03-22 02:48 npx.js
-rwxr-xr-x 1 qsys 0 87 2022-03-22 02:48 pnpm.js
-rwxr-xr-x 1 qsys 0 87 2022-03-22 02:48 pnpx.js
-rw-r–r– 1 qsys 0 13130 2022-03-22 02:48 vcc.js
-rwxr-xr-x 1 qsys 0 87 2022-03-22 02:48 yarn.js
-rwxr-xr-x 1 qsys 0 90 2022-03-22 02:48 yarnpkg.js
yarnの確認
corepackによる yarnの導入が正常であれば、以下のコマンドでバージョンを確認することができます。
cd /QOpenSys/pkgs/lib/nodejs14/bin/
./yarn -v
1.22.15
今回は、node.js V14とcorepackのご紹介でした。それでは、また次回の Hack! まで!
著者
牛田 吉樹氏
株式会社中部システム
代表取締役社長
2001年中部システム入社。RPG技術者として数多くの受託開発案件を担当。その一方、オープンソースの習得も並行して進め、コミュニティ活動にも積極的に参加する。PHP、JavaScript、Node.jsなどに造詣が深い。TwitterやQiitaなどでも積極的に発言。2021年より現職。
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