ウクライナ東部に位置しロシアと国境を接するハウキウ州の州都ハウキウ市は8月17日(現地時間)、IT技術の提供と支援に関してIBMと覚書を交わした、と発表した。
調印式には、ハウキウ市のイホル・テレホフ市長とIBMウクライナのアントン・セロフCEOなどが出席し、ロシアによって破壊されたハルキウ市の住宅およびインフラの復旧について話し合った。
発表文によると、市は、破壊された住宅およびインフラの復旧を迅速かつ効率的に進める必要があり、その修理・再建に関する対象物の洗い出しとコストの算出、管理を必要としている。すでにIBMの資産管理ツール「IBM Maximo」が無償提供され、市当局が被災物の記録を取り始めている。今後、修復やメンテナンスの費用を算出し、電力会社や工事業者などとの関係もMaximoで管理しながら、復旧を進めていくという。
また将来的には、スマートシティの設計・建設に関してもハルキウ市とIBMは協力していく予定としている。
ハウキウ市はウクライナの首都キーウに次ぐ第2の都市で、2月24日のロシアの侵攻以来、激しい攻撃にさらされてきた。調印式のあった8月17日にもハウキウ市内の住宅街がロシア軍の攻撃を受け、多数の死亡者を出した、と複数のメディア報道が報じている。
IBMは、ロシアがウクライナに侵攻した1週間後に(3月2日)ロシアにおける販売活動の中止を発表し、その5日後にロシアでのビジネスの停止、5月30日にはロシア事業からの全面撤退を公表している。ウクライナでは首都キーウにオフィスを構え、ビジネスを継続中という。
2月24日 ロシアがウクライナに侵攻
3月 2日 IBM、ロシアでの販売中止を発表
3月 7日 IBM、ロシアでのすべてのビジネスの停止を発表
5月30日 IBM、ロシア事業からの撤退と従業員の解雇を発表
6月下旬 IBM、IBM Cloudを利用中のロシア系動画SNS「Ramble」のサービスを停止
8月17日 IBMとハリキウ市、市復興の技術支援で提携
・8月20日付け読売新聞オンライン「ロシア軍が東部攻撃を強化、南部で攻勢のウクライナ軍足止め狙う…英分析」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220820-OYT1T50130/
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