昨年から、DXについての講演と自社のM&Aの事例講演の依頼が増えています。
日本の企業事情は、99.7%は中小零細企業、80%は売上3億円以下、60%は従業員5人以下、まともに利益を出している企業は1%、企業経営者の平均年齢は60歳を超え、5年以内に70歳に到達しようとしています。
また、事業承継者が決まっていない会社が30%を超えています。会社の平均寿命は23.5年ですが、かつては35年と言われていたので、年々その寿命は短くなってきているのでしょう。
昨年末に経産省が公表したDXレポート中間報告では、DXに未着手、もしくはDXを進めたいが、散発的な実施に留まっている企業が90%以上と言ったアンケート調査結果でした。つまり、2018年の警鐘から2年経っても、ほとんど進捗していないということです。
昨年からの新型コロナ感染により、世界中が混乱し、経済が低迷して1年が経ちました。国内の感染拡大が収まらずに、政府は2度目の「緊急事態宣言」を発令しました。今まさに、これまでにない、新しい世界になろうとしている強烈なうねりの中で、1時間に3~4社が経営を諦めて廃業・休業を余儀なくされているのです。
新型コロナ渦による環境変化の影響により、企業が生き残りをかけて、にわかにDXの必要性を認知し、着手し始めていることも報告のとおりです。
IBMも、いよいよ分社化となります。永年お世話になってきた方々が、社内外に異動し始めています。変化に対応できた者だけが生き残れるのですから、よくなるための必然の大変革に違いないのです。
伸びている企業は、ピンチの時こそチャンスと捉え、事業の成長を図り、新規事業への転換、M&Aによる事業の拡大、人財育成等々に果敢に挑戦しているので、経営において大変参考になっています。
私たちグループ全体の事業では一部の領域での苦戦を強いられているものの、各事業部は、M&Aによってグループ化した会社とともに、全従業員の誰にも負けない努力とお客様との信頼のもとに、成長発展を続けている企業として、当社は東京商工リサーチ社の2021年九州・沖縄「元気印」企業に選ばれました。
DXアドバイザーやグランドデザインのとしての依頼も増え、オービックビジネスコンサルタント(OBC)とのコラボで実現した「旗振~hatafree~」や、IBM CloudのPower Virtual Serverにリフトした「Power-PMS(生産管理システム)」をSaaSサービスとして開発するなど、SIerからSaaSサービス企業へと、私たちも変革を始めました。お客様のDX実現に寄与できるサービスを揃えたいと願っています。
企業経営の目的は全従業員の物心両面の幸福です。みんなでみんなを幸せにする場所が会社であり、そのために、働くことを通じて、心を高めていくことも大きな目的となるのです。
お互いに信頼と尊敬で絆を深め、補い合い、支え合うことで、安定した経営と日々健やかな人生を継続していけるのです。不確実性の高い社会状況だからこそ、人間として何が正しいか、また、謙虚さと信頼と尊敬がいかに大切であるかとあらためて思います。
昨年12月には日本IBMから高村さんがPMO担当役員として就任し、社内プロジェクトの監査を担うようになりました。そして、九州沖縄の地区部長としてIBMに籍を置いていた長田さんが、人財開発・社会貢献担当役員として就任しました。
お二人とも35年来のお付き合いです。創業以来joinしてきた全グループの1人1人、そしてお客様、すべてがご縁で結ばれ、素晴らしいソウルメイトに恵まれたことに、心からありがたく思います。
「冬来たりなば、春遠からじ」とは、今は辛い状況であっても、じっと耐え忍んでいれば、いずれ幸せが巡ってくることをたとえた諺です。厳しい状況が続いていますが、今はどんなに辛くとも、耐え忍び、些細なことにも、心から感謝しなければなりません。
先が見えない時代だからこそ、信じて集ってくれたソウルメイトとの心を一つにして、技術と心を高め、社会が必要とするイノベーションを起こす役割を探求し、それを見事に果たそうと思います。燃える闘魂となれば、『信念の前に不可能なし』です!!
「冥利に尽きる」とは、おかれた立場において、これ以上はないほどの最高に幸せな気持ちを感じ、周囲の人に対する感謝の気持ちを表す言葉です。神様は一所懸命、額に汗して人生に取り組んでいる人に、手を差し伸べてくれます。
大切なことは、知らず知らずのうちに神様の御加護や、支援が得られるような生き方を心がけることなのです。「冥利に尽きる」とは、そういう世界のことをいいます。この艱難辛苦な時代だからこそ、経営者冥利に尽きる役割を果たしていきたいと願っています。