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約7割の企業が「物流の2024年問題」でマイナスの影響を見込む ~対応策は「運送費の値上げ(受け入れ)」「スケジュールの見直し」が1・2位、帝国データバンク調査

帝国データバンクは1月26日、「物流の2024年問題」に関する企業への調査結果を発表した。

「物流の2024年問題」とは、2024年4月に施行される、トラック・ドライバーなどを対象とした時間外労働の上限規制(働き方改革法改正)によって生じる各種問題の総称で、ドライバーの人手不足による業務の停滞やコスト増などさまざまな問題が指摘されている。帝国データバンクの調査、これに関する企業の見解を尋ねたもの。

調査は、2023年12月18日~2024年1月5日に全国の2万7143社を対象に実施され、1万1407社が有効回答した。

まず、建設業、医師、ドライバーなどの時間外労働の上限規制による「2024年問題」全般については、

・マイナスの影響がある:59.9%
・影響はない:22.3%
・プラスの影響がある:1.6%
・わからない:16.2%

という結果で、「物流の2024年問題」に限った設問では、以下のような結果となった。

・マイナスの影響がある:68.6%
・影響はない:15.5%
・プラスの影響がある:1.5%
・わからない:14.4%

このうち「マイナスの影響がある」を業界別にみると、「卸売」79.6%、「農・林・水産」78.9%、「小売」76.4%、「製造」76.2%、「運輸・倉庫」73.6%、の5業種が70%以上である。

ただし、「運輸・倉庫」は「プラスの影響がある」が9.3%と群を抜いて高率で、回答の中には「長い目で見れば自由な時間が増えるため、若い人も入りやすくなり、運送業界にとってもよいはず」という声もあったという。

2024年問題への影響 n=1万1407社
2024年問題への影響 n=1万1407社

「2024年問題」全般に対する具体的な影響については、66.4%が「物流コストの増加」を見込んでいる。以下、「人件費の増加」41.0%、「人手不足の悪化」40.0%などが続く。

「2024年問題」全般に対する具体的な影響 n=1万1407社
「2024年問題」全般に対する具体的な影響 n=1万1407社

「物流の2024年問題」への対応策としては、「運送費の値上げ(受け入れ)」がトップで43.3%。次いで、「スケジュールの見直し」36.3%、「運送事業者の確保」24.9%が2位、3位である。

「物流の2024年問題」への具体的な対応策 n=7152社
「物流の2024年問題」への具体的な対応策 n=7152社

一方、「物流の2024年問題」に「特に対応しない」企業に理由を尋ねたところ、「これまで通りで問題が生じず、対応する必要がない」34.6%、「2024年4月以降、問題が生じた際に対応を検討する」33.6%がそれぞれ1/3ずつを占め、次いで「自社だけでは対応策が検討できない」27.5%、「どのように対応すればよいか分からない」15.8%とあり、調査レポートは「2024年4月が直前に迫っているなかであっても、具体的な対策が見つからず、対応を決めかねている様子も表れている」と指摘している。

「物流の2024年問題」に「特に対応しない」理由 n=3011社
「物流の2024年問題」に「特に対応しない」理由 n=3011社

・帝国データバンク「2024年問題に対する企業の意識調査」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240111.pdf

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