帝国データバンクは10月28日、企業のDX、リスキリングへの取り組みに関する調査結果を発表した。回答数・1万社強、全国、大~小企業、51業種をカバーする大型の調査で、日本におけるDXおよびリスキリングの現状を映し出した調査と言えそうである。
調査は2022年9月15日~30日に全国2万6494社を対象に実施し、1万1621社から有効回答があった(回答率43.9%、回答企業のプロフィールは末尾参照)。調査結果のハイライトは以下のとおり。
DXへの取り組み
DXに取り組んでいる企業は15.5%で、従業員の規模別で取り組み状況に差があることがわかった。1000人超で47.8%、301~1000人で34.4%、101~300人で24.3%と、従業員数が少なくなるほど取り組み企業は減少する。「依然として5割超ではDXへの取り組みが進んでいない」と指摘している。
DXに取り組むうえでの課題
DXに取り組むうえでの課題では、「対応できる人材がいない」47.4%、「必要なスキルやノウハウがない」43.6%、「対応する時間が確保できない」33.3%が1~3位を占めた。人材、知識・スキル、時間・費用の不足が挙げられている。
リスキリング
リスキリングに「取り組んでいる」企業は48.1%、「特に取り組んでいない」企業は41.5%で、ほぼ2分される結果となった。「取り組んでいる」内容は、「新しいデジタルツールの学習」が48.4%で最多だった。
兼業・副業人材の外部からの受け入れ
デジタルスキルなどを有する兼業・副業人材を、「現在外部から受け入れている」企業は3.3%、「募集中」1.2%、「前向きに検討している企業」は21.9%。これに対して、「現在受け入れておらず、今後も予定していない」企業は62.7%と、6割強の企業が消極的な結果だった。
◎回答企業のプロフィール
企業別
・大企業:1835社(15.8%)
・中小企業:9786社(84.2%)
中小企業のうち小規模企業は3689社(31.7%)、上場企業は241社(2.1%)
業種別:10業界・51業種をカバー。主な業種は以下。
・製造:2905社(24.9%)
・卸売:2712社(23.3%)
・小売:611社(5.2%)
・サービス:2260社(19.4%)
・建設:1829社(15.7%)
・運輸・倉庫556社(4.7%)
地域別
・北海道:572社(4.9%)
・東北:768社(5.5%)
・北関東:881社(7.5%)
・南関東:3404社(29.2%)
・北陸:596社(5.1%)
・東海:1280社(11.0%)
・近畿:1990社(17.1%)
・中国:799社(6.8%)
・四国:382社(3.2%)
・九州:949社(8.1%)
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