データ統合プラットフォームを開発・販売するTalendは5月11日(現地時間)、企業におけるデータ活用状況を調査した「2021 Data Health Survey」を発表した。
調査は3月24日~4月8日に、売上高1000万ドル(約10億円)以上の企業のCxO・上位管理職を対象に実施され、529名から回答があった。
まず回答者のデータ活用状況を見ると、64%が意思決定の半分以上をデータに基づき行い、36%がデータに基づかない方法で行っている。そして、73%が意思決定の大部分を、9%がすべての意思決定をデータに基づき行いたいと考えている、という。
上記を部門別に見たのが次の図表で、情報システム部門>エンジニアリング>製造>ファイナンス>マーケティング/販売、という順にデータに基づかない意思決定が増加する。
データ活用の目的は、
・運用コストの削減:49%
・業績のモニタリング:68%
・顧客サービスの向上:67%
・収益の増加:59%
という結果である。「運用コストの削減」という“守り”の目標より、収益・販売・マーケティングといった“攻め”の目標のほうが上回ると指摘している。
データの活用で回答者が抱えている課題は、
・データの品質確保:50%
・適切な人へのデータの提供:39%
・訓練された十分なリソース:36%
・コンプライアンスとセキュリティ要件を合致:36%
・データ駆動型文化の醸成:33%
という結果だった。「データの品質確保」を半数が課題として挙げているが、これに関しては、全回答者の1/3が「自社にデータ品質に関する基準がない」、19%が「自社にデータ品質の基準があるかどうかわからない」、半数未満が「データの品質基準を明記した文書が自社あるかどうかわからない」という回答だったという。
また「データの品質・信頼性の確保」に関する設問では、「非常によい」が50%を超えるのは「適時性(Timeliness)」だけで、「正確性(Accuracy)」「一貫性(Consistency)」「アクセス性(Accessibility)」「完全性(Completeness)」はいずれも50%を下回る結果だった。
レポートは、「データの品質に関するポリシーや行動が定義されておらず、理解されていないのは明らか」と指摘し、「社内でデータをよりいっそう活用していくためには、経営層がデータリテラシーを深め、データ可視化の度合いを高めていく必要がある」と述べている。
・Talend「2021 Data Health Survey」(英語)
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