米Synergy Research Groupは10月26日、2023年第3四半期(3Q)の世界クラウド市場の調査結果を発表した。
それによると、3Qのクラウドサービスへの企業支出は全世界で681億ドル(約10兆3000億円)となり、前年同期より105億ドル増加した(18%増)。前年同期比で100億ドル以上の増加となるのは、5四半期連続。
IaaSとPaaSサービスが市場の大半を占め、第3四半期は前年同期比で19%増加した。
大手クラウドプロバイダーの中では、グーグルとマイクロソフトの成長率が高く、マイクロソフトは2022年3Qから世界市場シェアを約2ポイント伸ばした。市場リーダーのAWSは、長年の市場シェア帯である32~34%の範囲内にとどまった。
大手3社(AWS、マイクロソフト、グーグル)のシェア合計は、世界市場の66%を占める。
地域別では、全世界で「力強い成長」を続けている。とくにアジア太平洋(APAC)地域の成長が最も力強く、インド、中国、オーストラリア、日本とも前年同期比20%以上の成長となった。
Synergy Researchは、「現在の経済・政治情勢はクラウド支出の伸びを一部抑制しているが、生成AI技術とサービスがこうした障壁の克服に役立ち始めている。AIは、新しいクラウド・ワークロードを幅広く開拓するのに役立っている」と指摘している。
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