IBM iは今年35周年を迎える。しかしIBMのスティーブ・ウィル氏(IBM iチーフ・アーキテクト)のもとには、「IBM iは将来も存在し続けるのか」という問い合わせが絶えないという。
そこでウィル氏は著名なIBMチャンピョンであるジム・バック氏から届いたメールのエピソードとして、今注目の対話型AIであるChatGPT に、「IBM iはなぜ使い続けられるのか?」と質問したことを紹介している。その回答は、以下のとおり。
「IBM iは、IBM Power Systemsとしても知られており、IBMのPower ArchitectureベースのサーバーとIBM iオペレーティングシステムを組み合わせたプラットフォームです。IBM iは、安定性、セキュリティ、拡張性で知られており、企業レベルのアプリケーションやミッションクリティカルなワークロードを実行する必要があるビジネスに適しています。さらに、IBM i には大規模で熱心なユーザーベースがあり、彼らはこのプラットフォームに多大な投資を行い、日々の業務でこのプラットフォームに依存し続けています。これらの要因が、とりわけ、IBM iが使い続けられると考えられている理由です」
これを読んだウィル氏の最初の反応は、「悪くない!」とのこと。ChatGPTはIBMのオフィシャルな文書、IBM iについて書かれた多くの記事、そしておそらくはウィル氏自身のブログなどからよく学習し、明らかに、「コミュニティの存在がIBM iの継続的な成功要因である」ことを理解していると評価している。
とは言え、AIの若きスーパースター(ChatGPT)だけにIBM iのよさを語らせておくこともないと、ウィル氏はあらためて、自ら「IBM iはなぜ使い続けられるのか?」に回答を与えている。
理由の第1は「大規模で熱心なユーザーベース」。ウィル氏のチームは世界中のさまざまなユーザー、ISV、パートナーと交流し、そのユーザーベースの強さを肌で体感していると語り、さらにIBMの公式サイト、ブログ、膨大な事例、Forta(旧HelpSystems)の調査からもそれは明らかだと指摘している。
さらに第2の理由として、「IBM iの優れたROI」をユーザーが理解していること、第3の理由として、IBMがIBM iに多大な投資を継続しており、それは2035年まで明示化されているIBM iのロードマップが証明していると語る(10年以上先まで将来的なロードマップをコミットしている競合他社はいない、とも)。
ちなみにi Magazine編集部でも、日本語でChatGPTに次のような質問を投げかけてみた。
「IBM iが今後存続しない理由があるとすれば、それは何ですか?」
ChatGPTの回答は、以下のとおりである。
「IBM iが今後も存続しない理由としては、主に以下のようなものが考えられます。
◎技術の進歩による代替技術の出現
IBM iが開発された当時から技術の進歩は進んでおり、今後も新しい技術が登場することが予想されます。そのため、IBM iが時代遅れになったり、代替技術に取って代わられる可能性があります。
◎ビジネスニーズの変化
企業のビジネスニーズが変化した場合、IBM iが提供する機能や特徴が必要なくなる可能性があります。その場合、企業は別のシステムを採用することが考えられます。
◎IBMの経営方針の変化
IBMがIBM iを重視することをやめ、別の分野に注力する方針に転換した場合、IBM iが存続しなくなる可能性があります。
ただし、現在のところIBMはIBM iを重要な製品として位置づけ、存続することを表明しています。そのため、IBM iが存続しなくなる可能性は低いと言えます。」
大注目の対話型AIによれば、IBM iは今後も継続するようだ。
ウィル氏の詳しいブログはこちらから。
[i Magazine・IS magazine]