米Revenera社は9月21日(現地時間)、ソフトウェアベンダーの収益化モデルの現在および今後を調査したレポート「ソフトウェア収益化モデル&戦略 2021(Software Monetization Models and Strategies 2021)」を発表した。昨年に続く2回目の調査で、今回はソフトウェアおよびデバイス企業の製品担当役員を対象に、2021年4月中旬~6月中旬に調査を実施した。回答は374人。
それによると、ソフトウェア企業は今、「収入の適正化と拡大のためにソフトウェアの適切な提供形態を模索している」としたうえで、過去2年間に回答企業の62%がSaaSやサブスクリプションなどの「経常収益モデル」を採用し、今後1年~1年半に53%が「サブスクリプションモデル」を拡大、37%が「利用量ベースの課金モデル」の採用を拡大させる意向であるという。
ただし、そうした提供形態の変化についていけないユーザー企業も少なくないので、ソフトウェア企業は従来からの「永久(売切)ライセンスモデル」や「成果主義モデル」も継続し、ソフトウェア提供のハイブリッドモデルを選択する必要があるとしている。
レポートでは、調査結果のハイライトとして、以下を挙げている。
● 現在のソフトウェアの提供形態は、サブスクリプション(36%)と売切(永久)ライセンス(24%)が主流。しかしソフトウェア企業の多く(70%)は、「ソフトウェアの価格とその価値が一致していない」と感じている。
● ソフトウェア企業の大半は、多種類の収益化モデルを併用しているが、今後1年~1年半にSaaSモデルの採用が拡大すると59%が回答している。
● ソフトウェアの価格とその価値を一致させるうえでの最大の障害は、新しいマネタイズモデルが顧客に受け入れられないことであり、この課題は過去1年間で倍増した。
下のグラフは、以下のとおり。
・新しいマネタイズモデルに対する顧客の受容性の欠如:50%
・最も価値のある機能を収益化するためのインサイトの欠如:42%
・ビジネスモデル変更のリスク:39%
・顧客のペルソナとその優先順位に関する洞察の不足:35%
・システム的に単一の顧客ビューを獲得することが困難:31%
・米Revenera社「Software Monetization Models and Strategies 2021」
・米Revenera社「Software Monetization Models and Strategies 2020」
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