IBM iチーフ・アーキテクトのスティーブ・ウィル氏は10月10日(米国時間)、自身のブログ「You and I」にIBM i 7.5 TR3(7.4 TR9)についてのコラムを投稿した。i Magazineでは他の記事で、IBM iの開発担当者らの解説をまとめたので、ここではウィル氏の視点による「ハイライト」を箇条書きでまとめてみよう。
データベース
► SYSTOOLSには、より簡単な自動化のために多くの新機能が追加されています。私たちのアドバイザーの説明によれば、システム管理者の生産性を10~15%向上させると言います。
► Db2 for iサービスは、SQL文の詳細情報をプランキャッシュに取り込めるようになりました。
► SQLコマンドはデータベース以外にも拡張され、プロシージャや各種ファンクションにも含まれるようになっています。新しいREST機能のサポートや、ジャーナルやシステム値を探索するための新しいIBM i サービスも、今回のTRで追加されています。
HA/DR
► IBM i向けの高可用性リューションであるDb2 Mirrorでは、ヘルス・センター(Health Center)を改良し、ミラーリングされたデータベース環境の情報収集を容易にしました。
► PowerHA for iでは、障害発生時におけるアクティブなジョブのユーザー定義による追跡と再送信が簡素化され、システム管理者は障害発生時のジョブのステータスを可視化できるようになりました。
► テープへの保存・復元のパフォーマンスを向上させるために、ソフトウェアデータ圧縮機能を拡張し、現在ファイル保存や光学圧縮で使用されている大半の保存・復元コマンドとAPIをサポートするように改良しました。*LOW、*MEDIUM、*HIGH、*ZLIBなどのソフトウェア圧縮オプションはすべてサポートされています。
► ZLIBアルゴリズムは、Power10プロセッサ上のPower10互換モードで実行される場合、オンチップのNest Accelerator (NX) GZIPを自動的に使用するため、他の圧縮オプションよりも高速でCPU負荷の低い圧縮が行えます。
アプリケーション・モダナイゼーションとオープンソース
► リクエストとレスポンスのペイロードにおけるNULLフィールド値の監視が、統合Web サーバー (IWS) に追加されました。
► Visual Studio Codeでの作業を好むプログラマーのために、IBM iインターフェースが機能強化され、開発者はIDEからDb2 for iで作業できるようになりました。
► Rational Developer for iユーザー向けに、新しいiDocテンプレートも追加されました。
IBM Navigator for i
IBM Navigator for iに、システム管理者の生産性を5~10%向上させる、次のような機能強化が行われました。
► 製品全体にわたるテーブル・フィルターの改善
► DNSコンフィギュレーションのルート・サーバーを直接編集可能に
► IFSビューを中心としたUIの改善
► 印刷サポートにリモート印刷キューを追加
► ワーク管理機能の強化
► セキュリティ・ビューと機能の拡張
・ブログ「IBM i Chief Architect Steve Will highlights new features from the latest IBM i Technology Refreshes」
https://techchannel.com/SMB/10/2023/ibm-i-7-5-tr3-7-4-tr9
・IBM i 7.5 TR3
https://www.ibm.com/docs/en/announcements/i-75-tr3
・IBM i 7.4 TR9
https://www.ibm.com/docs/en/announcements/i-74-tr9
[i Magazine・IS magazine]