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アプリケーション保守、クラウドサービス、LANSAの3つを軸に要員不足へのアプローチを展開 |日本オフィス・システム株式会社 ~[連載]攻めの要員対策

日本オフィス・システム(NOS)は1982年に国内で最初のIBM特約店として設立され、IBM i市場での実績を強みに事業を展開してきた。しかし2015年に兼松エレクトロニクスの完全子会社となり、KELグループの一員になってからは、IBM iを運用する既存ユーザーへの対応は継続してきたものの、IBM i市場からは少し距離を置いてきた印象があった。

そんな同社が自社の強みをあらためて見直し、IBM i市場に再び注力し始めたのは3年ほど前のことである。中核部隊はソリューション営業本部 ソリューション戦略室で、ここにはIBM i専任の営業担当者と技術者を擁している。

同社がIBM i市場に向けての再起動を開始したちょうど同じ頃から、IBM iユーザーの要員不足が深刻化し始め、今後のアプリケーション運用に関する緊急度の高い相談が多く寄せられるようになった。そこで同社ではIBM iユーザーの抱える要員不足という課題に対して、3つの解決策を提案している。

1つ目は、「アプリケーション・マネージド・サービス」(以下、AMS)と呼ばれるアプリケーション保守サービスである。「X-Analysis」というアプリケーション分析ツールでシステムを可視化したうえで、プログラム改修の頻度を確認し、現担当者が在籍しているうちにスムーズにアプリケーションの保守・運用を同社へ移行するためのサービスである。

2つ目は、「FineCrew クラウド・サービス iC2 (i Computer Cloud)」(以下、iC2)と呼ばれる独自のクラウドサービスである。これは、同社のデータセンターで同社の資産であるIBM Power上にユーザー専用区画を稼動させ、運用・監視などのサービスを含めて提供するもの。2011年にサービスを開始しているが、ここ数年、順調に実績を伸ばしている。

そして3つ目は、LANSAを利用したアプリケーション開発とそれに伴うRPGからのスキル移行である。フロントエンドの改修、いわゆる5250画面のGUI化/Web化をはじめ、Webアプリケーションの開発、そして基幹システムの全面刷新までLANSAにより提案する。LANSAの開発生産性やIBM iでもオープン系でも稼働する対応力により、開発要員の不足に悩むIT部門に対し、RPG Ⅲからのスキルトランスファーを促す戦略である。

システムに不満はない、しかし要員不足から将来への不安を感じ、選択肢の1つとしてIBM iからの撤退を検討するケースも決して少なくない。

そんな時、同社ではユーザーとともに、IBM iからオープン系への移行で本当に現状の課題を解決できるのか、求められる業務要件をクリアできるのか、業務部門には混乱が生じないか、などをきめ細かく検討していく。その結果、「システムに不満はない、問題は要員不足だけ」というケースでは、同社のサービスを利用することで、ほぼ例外なくIBM iの運用継続を決定するという。

また2021年に立ち上げた「NOS Briefing Center for IBM i」では、IT部門の責任者に加えて経営陣も招きながら、IBM iに関する最新情報や要員不足、次世代活用などをキーワードに現在のトレンドを紹介しつつ、今後どのようにIBM iを活用するかといった個別セッションを開催している。要員不足という課題に加え、各社に必要なDXを具体的に紐解くためのアイデア創出の場としても機能しているようだ。

AMS、iC2、LANSAという3つを軸に、ハードウェア販売、インフラ構築、開発、アプリケーション保守、システム運用、クラウドサービスといった全方位のサポートを武器に、同社はIBM i市場への攻勢を強めているようだ。

[i Magazine 2024 Spring掲載]

 

 

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