IBMはこのほど、Power E1080のCPW値やfPerf、SPECなどのベンチマーク結果をまとめた「IBM Power Performance Report」を公表した。別記事でIBM i向けのCPW値を紹介したので、この記事ではAIX環境におけるPower E1080のPerf値をまとめてみたい。
rPerfとは、Power AIXサーバーのOLTP性能を計るためにIBMが2000年に開発したベンチマークで、RS/6000 44p Model 270 374 MHzのベンチマーク結果を「rPerf 1.0」とした相対性能である。
Power E1080のrPerf値は次表のとおりである。なお、Power E1080はピーククロック数が、3.9GHz、4.0GHz、4.15GHzの3種類のプロセッサを選択できるようだ。これによると、1LPAR・40コアのシングルスレッドでrPerf値が369.8、SMT8で1366.8、最大の4LPAR・240コアのシングルスレッドでrPerf値が2250.8、SMT8で7998.6という結果である。
この結果から、シングルスレッドからスレッド数2つのSMT2へと切り替えることでパフォーマンス(rPerf値)は1.96~2.02倍、4つのSMT4とすることで2.79~2.86倍、8つのSMT8とすることで3.55~3.70倍になることがわかる。
Power7サーバー以降のrPerf値を比較したのが次表である。今回発表のPower10サーバーはハイエンドのエンタープライズサーバーPower E1080であるので、Power7以降もハイエンド・エンタープライズサーバーとした。コア数は各Powerサーバーとも同数の48コアとして、データが揃うSMT4を比較した。
これによると、Power8からPower9、Power10へとサーバーの世代が変わるに伴ってマルチスレッドの処理性能が向上しているのがわかる。Power8サーバーではシングルスレッドとSMT8の対比で2.02倍、Power9サーバーでは2.96倍、Power10サーバーでは3.56倍となる。
今回の「IBM Power Performance Report」では、AIX対象のベンチマークとしていは、rPerfのほかにSPECベンチマークが公開されている。Power E1080(AIX環境)のSPEC CPU2017のベンチマーク結果は、SPECintの標準(base)で1700、Power E1080に最適化させた場合(peak)で2170である。また、Linux稼働環境におけるPower E1080のSPECベンチマーク(SPEC CPU2017)は公表していない。
IBM「IBM Power Performance Report」
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