イグアスは2022年4月から、オプティムの開発したクラウド型のAI契約管理ソリューションである「OPTiM Contract」の販売を開始した。
創業から20年を迎えたオプティムでは、高いシェアを誇るMDM(モバイル端末管理)ソリューションである「Optimal Biz」を筆頭に、AI、IoT、ビッグデータプラットフォームなどの各分野で先端的なソリューションを提供してきた。
なかでも知財戦略は事業の重要な柱であり、多くの特許を取得しているが、その1つが「契約書を解析・管理するAI」に関する特許である。AIが契約書を解析して、記載されている契約情報を抽出・管理し、契約期間や担当者などの契約情報をユーザーに通知するという技術である。
この技術を活かして誕生したのが、OPTiM Contractだ。独自の学習モデルをベースにしたAIによる契約書の解析、OCR処理、全文検索、担当者への通知、アクセス権限管理やセキュリティといった多彩な機能を備える。なかでも最大の強みは、既存の紙原本をスキャンした契約書ファイル、WordやPDFなどのすでに電子化された契約書ファイル、そして電子契約サービスから取り込んだ契約書ファイルの契約内容を一元的に管理できる点である。
電子契約サービスから取り込む契約書の場合は、連携済みの「Adobe Sign」「クラウドサイン」「GMOサイン」と、近日連携予定の「DocuSign」を加えた4つの代表的な電子契約サービスから契約書ファイルを取り込み可能である。
またすでに電子化された契約書の場合は、WordもしくはPDFのファイルをそのままOPTiM Contractにアップロードできる。
そして紙の契約書の場合は、まずオフィスプリンタやスキャナ等で解像度を300dpi以上に設定のうえ、契約書をスキャンする。手書き文字、ゴム印、フォントの埋め込みのない画像形式のPDFでも、OPTiM Contractへのアップロード時にOCR処理するため読み取り可能である。
このようにさまざまな手段でアップロードされた多種多様な契約書に対し、OPTiM Contract はAI解析機能を使って、「タイトル」「契約企業名」「契約締結日」「契約終了日」「自動更新の有無」など、共通の規定項目を自動的に抽出して管理する。
契約の終了前、たとえば秘密保持契約が終了する前などに、そのアラートをメールで担当者や上長に通知する。これは契約書ごとの重要度に合わせて、30〜360日の範囲で30日刻みに事前通知設定を変更可能である。
また契約書に記載された文言、全テキストを対象に、全文検索で簡単にファイルを探し出せる。たとえば「損害賠償」などの指定キーワードで検索することで、担当者が契約書の条文を一覧でハイライト表示し、条文確認する作業を支援する。こうしたアラート機能や全文検索機能は、OPTiM Contractの強みの1つと言えるだろう。
さらに提案書や取引関係書類など契約書を補足説明する関連資料を契約書に紐づけて管理したり、契約書ごとにアクセス制限を設定したりもできる。
もちろん契約書という秘匿性の高い文書保管に求められるセキュリティ機能についても、MDMで培った技術を最大限に活かして万全を期している。
2022年1月には、改正電子帳簿保存法への対応バージョンをリリースし、真実性の確保や可視性などの要件を担保している。
OPTiM Contractは、競合する同種のクラウドサービスと比較して、低額で利用できる価格設定も大きな特徴である。
料金体系には、「エントリー」「スタンダード」「エンタープライズ」の3種類が用意されている。
「エントリー」は月額4980円(税抜)で、同時利用制限数が1、アップロードファイル上限数が20ファイル/月である。主に個人事業主などの利用を想定している。
「スタンダード」は月額2万9800円(税抜)で、同時利用制限数が5、アップロードファイル上限数が100ファイル/月。中小企業や大企業の部署単位での利用を想定している。エントリーも、スタンダードも初期費用は無料である。
そして同時利用制限数を6以上、アップロードファイル上限数を101ファイル以上/月に、企業ごとのニーズに合わせて個別にカスタマイズできる「エンタープライズ」は大企業が対象で、料金体系は個々に応じて問い合わせが必要となる。
多くの場合、大量に保存している紙の契約書をスキャンし電子化する作業からスタートするので、上記の料金体系とは別に、1000ファイル単位でアップロードファイル上限数を追加できる「解析数追加オプション」が用意されている。
秘密保持契約書や売買契約書、保守契約書など、企業には大量の契約書が存在し、少なからぬ管理コストやリスクが生じている。不適切な契約書管理によって生じるリスクは、企業活動による収益に対して平均9%に達するという指摘もある。
売買契約書、保守契約書など自らも大量の契約書管理に悩むイグアスでは、同じ課題を抱える企業が多いと想定し、同社のパートナー経由でOPTiM Contractの訴求に力を入れていく方針である。
オプティムでは今後は契約書だけでなく、請求書や見積書などへ管理対象を拡大していくことを予定しており、より多くの企業の文書管理に関するニーズに応えられるよう機能拡張していく計画である。
開発元:株式会社オプティム
https://www.optim.co.jp/
販売元:株式会社イグアス
https://www.i-guazu.co.jp/
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