ChatGPTなどを開発・提供する米OpenAIは4月15日、日本法人「OpenAI Japan」を東京に開設した、と発表した。
日本法人の社長(代表執行役員社長)には、AWSジャパンで2011年から約13年間にわたって社長を務めた長崎忠雄氏が就任した。米OpenAIにとって拠点の開設は、サンフランシスコ、ロンドン、ダブリンに次ぐ4カ所目で、アジアでは初めて。
米OpenAI CEOのサム・アルトマン氏は昨年(2023年)4月に岸田文雄首相に面会し、日本拠点の開設を表明していた。また自民党の「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」との会合では、日本への進出に向けて以下の7つの提案を行っていた。
・日本関連の学習データのウエイトの引き上げ
・政府の公開データなどの分析提供など
・LLMを用いた学習方法や留意点等についてのノウハウ共有
・GPT-4の画像解析などの先行機能の提供
・機微データの国内保全のための仕組みの検討
・日本におけるOpenAIのプレゼンス強化
・日本の若い研究者や学生などへの研修・教育提供
アルトマン氏は今回の日本拠点の開設にあたって、「これは、日本の人々、政府指導者、企業、研究機関との長期的なパートナーシップになることを願う第一歩にすぎません」と言い、「テクノロジーとイノベーションのリーダーである東京は、私たちの拠点として自然な選択でした」とするビデオメッセージを寄せた。
OpenAI Japanは当面10数人の体制で運営し、営業、事業開発、渉外、技術部門などを設置し、ビジネスを軌道に乗せることを目指す。
また「日本への長期的なコミットメントの第一歩」として、日本語に最適化させた「GPT-4カスタムモデル」(GPT-4 Customized Japanese)の提供開始も発表した。「日本語のテキストの翻訳と要約のパフォーマンス、およびコスト効率を向上させ、前モデルと比較して、最大3倍高速に動作するカスタムモデル」で、数カ月以内にAPIでリリースする予定という。
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