伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は11月29日、日本IBMの提供するクラウドサービスであるIBM Cloud上で、ハイブリッドクラウド支援サービス「OneCUVIC」の提供を開始すると発表した。
CTCは2021年春から、多様なクラウドサービスが混在する複雑なハイブリッドクラウド環境に対し、特定の製品やサービスによるベンダーロックインを排除して、オープンでシンプル、かつセキュアな一連のクラウド支援サービスを、「OneCUVIC」のブランド名称で展開している。
OneCUVICは、オープンハイブリッドインフラサービス、マネージドサービス、セキュリティサービス、クラウドネイティブサービスなどで構成されており、CTCはこれにより、3年間で650億円の売上を目指すとしている。
CTCと日本IBMは2021年11月に、CTCが展開するクラウドサービスのラインアップ拡充や事業拡大を目的に、戦略的パートナーシップを強化すると発表した。今回は、その具体的な施策の第一弾となる。
IBM Cloud上でOneCUVICの提供を開始することで、CTCがミッションクリティカルなシステムインフラとして提供するホステッド・プライベートクラウド「CUVIC」や、AWS、Azure、GCPなどのパブリッククラウドと、IBM CloudおよびIBM PowerのIaaS型クラウドサービスであるIBM Power Virtual Server、Red Hat OpenShift などの環境を統合的に管理・運用することが可能になる。
たとえばハイブリッドクラウド環境の全体最適化を支援するOneCUVICの統合コントロールセンターである「CTC-OHCC」(Open Hybrid Control Center)を活用することで、IBM Cloudを含むハイブリッドクラウド環境全体に対して、一元管理による安定稼働とセキュアなシステム環境が実現可能になる。
またクラウドネイティブサービスである「CTC-CNS」(クラウドネイティブサービス)の活用により、ハイブリッドクラウド環境全体にわたり、マイクロサービスやコンテナなどのクラウドネイティブなワークロードを展開できる。
さらに全世界60拠点以上に展開するデーセンターネットワークをもつIBM Cloudと連携することで、OneCUVICは日本企業のグローバル展開を支援できるとしている。
日本IBMでは、ミッションクリティカルシステムのクラウド運用を重視する「Enterprise Grade Cloud」、業界最高技術の暗号化技術に対応するなど高いセキュリティ性を備える「Securitu Leadership」、オープンテクノロジーをコアに業界標準に特化する「Open Hybrid Cloud Services」の3つが、ビジネス向けパブリッククラウドであるIBM Cloudの強みであると定義している。
「こうした3つの強みを核とするIBM Cloudのビジョンやロードマップは、CTCの考え方と非常に整合性が高く、それが今回の提携強化とOneCUVICのメニュー拡充に至った理由です。今後は世界各地にデータセンターネットワークを有するIBM Cloudと連携することで、日系企業を中心に企業のグローバル展開を支援していきます」と、CTCの東智之事業部長(ITサービス事業グループ エントラステッドクラウド技術事業部)は語っている。
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