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クラウドとIBM iを活用した「ハイブリッドAPI開発スターターパック」を提供 ~日販テクシード株式会社 |特集 IBM iの連携力❸

日販テクシードは、日販グループホールディングスを母体とするITベンダーである。全国の出版社と書店を結び、書籍や雑誌の流通を担う国内最大規模の出版販売会社向けシステムの構築や運用保守で培われた高度な技術を基盤に、外部顧客向けのITサービスを提供している。

出版関連にとどまらず、IBM i上で稼働する多彩な業務システムの設計・構築・運用保守、そしてAWSをベースにしたクラウドネイティブ開発およびクラウドインフラの構築など、新しいテクノロジーを活用した開発力、コンサルテーション力を併せ持つ点が最大の強みであろう。

同社は2022年7月に、APIによるIBM iのDX推進を目的にした「ハイブリッドAPI開発スターターパック」と呼ばれる新サービスをリリースした。

この背景には、長年付き合いのある顧客先で実施したプロジェクトの存在がある。これはIBM iの基幹データをAPI連携し、仕入れ関連の新サービスで活用するもの。昨年夏ごろからPoCを実施してきたこの開発では、IBM iとのAPI連携に、「API-Bridge」(オムニサイエンス)を採用した。

IBM i上の基幹データやビジネスロジックをAPI経由で外部システムから利用可能にするAPI-Bridgeの有効性を確認した同社では、IBM iユーザーに広く提供しようと考えたのである。

「ハイブリッドAPI開発スターターパック」は、API-Bridgeを導入するための基本メニューを用意しており、提供サービスは大きく3つに分類できる。

まずは、「API-Bridge 環境構築・導入」で、クラウドサービス(AWS)上にAPI-Bridgeの稼働環境を構築し、API-Bridgeを導入する。

次に、「API設定ハンズオン支援」があり、ここではAPIが実行するジョブ数の調整やサンプルAPIの設定(CL、RPG、SQLぞれぞれで1本ずつ)とAPI疎通確認および利用方法のレクチャーを実施する。

そして、「サンプルWebアプリと性能検証用PCプログラムの導入」で、サンプルWebアプリ用の稼働環境をAWS上に構築してアプリを導入し、かつ性能検証用プログラムを導入する。サンプルWebアプリは、スクラッチ開発アプリ、静的な簡易アプリなど、利用したいサンプルアプリケーションの種類を選択できる。

同サービスは、自社内にクラウドやWeb開発のスキル、あるいはAPIの知識をもたなくても、APIのトライアル利用もしくはスモールスタートにスムーズに着手できるように工夫されている。

サンプルAPIの設定が基本メニューに入っているので、初めてAPIを利用する場合でも設定方法を参考にでき、IBM iと外部システムの連携を容易にイメージできる。また本番業務を想定し、本格的なAPIの設計・設定へ移行したい場合は、オプションによる継続支援が可能である。

同社ではすでにセミナーなどを開催し、IBM iユーザーへの訴求を開始している。関心は高く、参加者から多くの問い合わせが寄せられている。

IBM iの基幹データを今までのように閉じた世界で活用するのではなく、周辺システムや新しいサービスで有効に活用したいと考えるユーザーは多い。同社ではこのサービスを起点に、IBM iとAPI、クラウドをベースにした新たなSIサービスへ成長させていきたいと考えている。

ハイブリッドAPI開発スターターパックの基本メニュー

日販テクシード株式会社
https://techceed-inc.com/

[i Magazine 2022 Autumn(2022年11月)掲載]

 

特集 IBM iの連携力

PART1:注目されるIBM iの連携ソリューション

API連携ツールの登場で基幹データ活用の機運が高まる

・オムニサイエンス:API-Bridge
・日販テクシード:ハイブリッドAPI開発スターターパック
・三和コムテック:ConnectCDC、ARCAD API
・クライム:Syniti Data Replication
・マジックソフトウェア・ジャパン:Magic xpi Integration Platform
・ソルパック:GoAnywhere MFT
・JBアドバンスト・テクノロジー:Qanat Universe、Qanat 2.0
・イグアス:i-Cross API

PART2:IBM i 最新連携事例

・株式会社フェリシモ
データ中心アーキテクチャに沿って
ファイル連携とAPI連携を使いわける

・日本ハム株式会社
・日本ハムシステムソリューションズ株式会社
IBM iの基幹データをAPIでAIシステムへ連携

・株式会社JRC
IBM iを中心にしたシステム構成から
データ連携が主役の将来構想へ