三井化学は3月24日、DX人材の育成プログラムと2025年度までの育成プランを発表した。
既に全従業員(約1万8000人)の5割強にあたる、役員を含む1万人が入門レベルの課程(レベル0)を受講済みで、2025年度までに165名のDX専門人材の育成を目指す、としている。
三井化学は2021年6月に長期経営計画「VISION2030」を策定し、現在の「素材提供型ビジネス」から「社会課題視点ビジネス」への事業モデルの転換を推進している。その基本戦略の1つが「DXを通じた企業変革」で、その実現策の1つが「全社員へのDX教育」である。
今回のDX人材育成プランは、この基本戦略に基づくもの。研修は「レベル0」から「レベル3」の4段階に分かれ、レベルごとにDX人材の要件と主な学習内容を定義した。
「レベル0」「レベル1」は、役員を含む多数の従業員が対象で、幅広いデータ分析スキルの定着が目的。「レベル1」では、三井化学の業務を想定したユースケースに基づき、ロールプレイングを通じた実践的な機械学習スキルの習得を目指す。そのために「一般的なデータサイエンティスト育成用の研修コンテンツではなく、化学業界の特性や三井化学の業務を想定した独自の教材を作成し、修了後に認定試験を設けた」という。
なお、研修コンテンツの作成にあたっては、「業務部門が最低限の機械学習の知識で実践的に分析を行うことを目標として」、NECの「DX人材育成サービス」のコンセプトとアビームコンサルティングの「ABeam DX Framwork」の一部を活用したとしている。
「レベル0」は、2021年度の取り組みとして1万人が受講済み。2022年度は営業部門やマーケティング部門などの約1000人が「レベル1」を受講する予定で、その後は「レベル1」の受講者の中から人材を選出し、「レベル2」「レベル3」へと進める計画という。
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