文部科学省は4月9日、令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者を決定した。4月17日に表彰式を開催する予定である。
同省は毎年、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた人を、「科学技術分野の文部科学大臣表彰」として、以下のように顕彰している。
◎科学技術賞(開発部門、研究部門、科学技術振興部門、技術部門、理解増進部門)
◎若手科学者賞
◎研究支援賞
◎創意工夫功労者賞
今回は、日本IBM東京基礎研究所の小林有里氏(量子人材開発 量子人材開発担当部長)と沼田祈史氏(量子人材開発 量子人材開発課長)が、科学技術賞(理解増進部門)を受賞した。
科学技術賞の理解増進部門は、青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する関心および理解の増進等に寄与し、または地域において科学技術に関する知識の普及啓発等に寄与する活動を行った者が対象となる。応募件数22件のうち受賞件数は9件(18名)。
今回の受賞対象は「日本における量子プログラミングの普及啓発」で、実用化が進む量子コンピュータの普及・人材育成に関する両氏の取り組みが評価されたもの。
量子コンピューティング技術を活用するには、スキルを備えた量子人材が不可欠である。両氏は、量子コンピュータ向けのソフトウェア開発キットである「Qiskit」のコミュニティや動画配信を通じた普及・啓蒙活動に加え、高校生が量子コンピュータを学ぶサマー・キャンプの開催、大学のカリキュラムづくり、開発者向けの実践的なプログラミング講座の主催など、中高生から大学・社会人まで幅広くアプローチし、量子人材の育成に努めている。
また現在、IBM Quantum Global Workforce & Educationの一員として、日本国内だけでなく、海外での量子人材開発にも注力している。
i Magazineでの両氏の寄稿には以下がある。
◎高校生のための量子キャンプ「Kawasaki Quantum Summer Camp」を開催 ~量子コンピュータを実践的に学ぶ4日間のプログラム
◎量子人材の育成:量子優位性の時代に備えて、いま、何が必要か
[i Magazine・IS magazine]