text:アッシュ・ギディングス Maxava
IBM i・AIX・Linuxを実行するIBM Powerサーバーは、多くの企業にとってITインフラのバックボーンとなっています。
しかしハードウェアが古くなるにつれ、ベンダーは保守サービスを終了するため、入念な移行計画が必須です。Power6は2017年1月に、Power7は2019年9月に保守サービスが終了し、現在保守サービスの対象となっているのはPower8、Power9、Power10の各モデルです。
Power8は2014年に発表され、2022年1月に営業活動が終了となりました。そして保守サービスの終了日が以下のように発表されています。
Power8モデルの保守サービス終了日
2024年 3月31日 – Powe S822、S822L、S824、S824L
2024年 5月31日 – Power S812、S812L、S814
2024年10月31日 – Power E850C、E880、E870C、E870、E880C
Power8の保守サービス終了が間近に迫っている今こそ、現行のPower世代のサーバーへの移行により、将来を見据えたインフラの保護が必要です。
Power8を利用中の企業にとって選択肢は、以下のとおりです。
Power8を継続
アプリケーションは引き続き実行できますが、IBMは公表された日付以降、保守サービスの提供をストップします。それに代わる保守サービスは、サードパーティのハードウェア保守プロバイダーによって提供されるでしょうが、Power8が古くなればなるほど、部品の調達がより困難になり、故障時にダウンタイム期間が長引くリスクがあります。
さらにPower8のままではOSをIBM i 7.4以上にアップグレードできず、IBM i 7.5を実行できません。新しいリリースのたびに提供されるさまざまな機能やセキュリティ対策を利用できない、というわけです。
さらに古いバージョンのOSの保守サービスは定期的に打ち切られます。IBM i 7.3は2023年9月末で保守サービスの提供は終了し、IBM i 7.1と7.2は既に終了済みです。
OSの拡張保守サービスは通常利用可能ですが、それにはコストがかかります。保守サービス終了後の1年間であればIBMは保守を提供しますが、その費用は1.5倍にもなります。2年目は標準の2倍、3年目は標準の2.5倍の保守費用へと膨れ上がります。保守サービスがなければ、PTFをリクエストすることも不具合の報告もできません。
IBM i 7.4もしくは7.5にアップグレードすることは可能ですが、アップグレード後に問題が発生した場合、有効な保守サービス契約や延長契約なしでは問題を報告できません。ハードウェアとオペレーティングシステムの互換性についてはこちらでご確認下さい。
オンプレミスをPower9もしくはPower10にアップグレード
新しいハードウェアへアップグレードする方法は今でも多くの企業にとって一般的な方法ですが、本業とは言えないデータセンターの維持は最適な方法とは言えません。
パートナーPower Cloudへ移行
パートナーのPowerクラウドサービスはPower9・Power10への移行ソリューションとして人気があり、パートナーは移行支援のための専門知識を備えた社内スタッフを配置しています。販売店をお探しの場合はこちらからお問い合わせ下さい。
パブリッククラウドへ移行
IBM Powerの分野ではパブリッククラウドが浸透しており、Power Virtual ServerではIBM i 7.1から7.5まで利用可能です。
通常、従量課金制と予約制のオプションがあり、ハードウェアとソフトウェアの保守サービスもそのサービスに含まれています。
どのオプションを選択してもMaxavaライブマイグレーションが皆様の力になります。ダウンタイムとリスクを最小限に抑えながら、重要なビジネスアプリケーションとデータをあるIBM i環境から別のIBM i環境へ移行させます。
著者
アッシュ・ギディングス氏
Ash Giddings
Maxava
プロダクトマネージャー
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