text:マーティン・ノーマン Maxava
IBM iユーザーは、プラットフォームの変更に合わせてリプリケーション手法を変更する必要があります。
従来のHA(2重化)やDRアプリケーションにおいては、物理データと関連オブジェクトのリプリケーションが中心でした。しかし、ほとんどのベンダーや社内のアプリケーションは、従来のデータファイルに加え、統合ファイル・システム(IFS)の機能を利用し強化してきました。一方で、IFS内のオブジェクトは、従来のリプリケーションと同じようには扱えません。古い手法は通用しないのです。
次第に多くのIBM iシステムでは、大量のIFS処理が行われるようになりました。さらに多くのオブジェクトが使用され継続的にデータ量が増え、より頻繁に更新が行われるようになったのです。その結果、IFSのリプリケーションの速度が低下し、それが以前からのリアルタイム・リプリケーションの手法において長い間弱点となっていました。
新しいリプリケーション・ソリューションをお求めの方、あるいは現在ご利用のソリューションではIFSへの対応が不十分と感じておられる方は、最新かつ効果的なアプリケーションを検討することが重要です。非効率な処理は、著しい速度低下を引き起こし、ユーザーに多大な悪影響を及ぼします。ロールスワップの実行が困難な状況に陥ってしまうのです。
IBM iユーザーは、ロールスワップの重要性を見落としがちです。リプリケーションのソリューションを備えているからといって、会社組織が保護されているわけではありません。ロールスワップ、またはより重要なフェールオーバーも、即実行できなければ、実際には無意味なものとなってしまいます。
新しいリプリケーション・ソリューションを選ぶ際には、IBM iのすべての部分に対応した最新の技術で構築されているか、確認が必要です。特に複製が必要なIFSの変更量が多い場合は、IFSを考慮して設計されたMaxava HA Enterprise+のようなリプリケーションツールが必要です。
たとえば、完全なマルチスレッド型で、多数の並列IFSストリームを処理できる機能が必要です。またIFSには独自の要件があるため、プロセスはIFS専用であることが望ましく、マルチストリームのデータやオブジェクトのリプリケーションと並行して実行されることが求められます。
さらにIFSには、リプリケーションを必要としない項目が多数含まれます。そのため、名前で選択または除外するなど、さまざまな選択が可能なリプリケーション・ソリューションを選ぶことが必要です。Maxava HA Enterprise+ はこれに対応しており、管理においても優れたインターフェースを提供しています。IFSリプリケーションの管理者はIBM iのグリーンスクリーンからではなく、ブラウザまたはPCベースのインターフェースを好むからです。
従来のリプリケーション・ソリューションのもう1つの弱点は、ユーザーへの影響です。マルチストリームのマルチスレッド・ソリューションは、重い作業負荷に対応できる高い処理能力が必要とされます。したがって、ワークロードの大部分はユーザーから離れたターゲット (バックアップ)機で実行されることが必要なのです。Maxava HA Enterprise+は独自機能により本番機上でジョブを実行しないため、リソースに影響を与えません。
あなたのHAアプリケーションにおいて従来型の方法を使用せず、ぜひ新しい技術を使って処理してください。IFSのような重要なオブジェクトタイプを最も効率的な方法で処理し、常に機能強化されたソリューションを選びましょう。
マーティン・ノーマン(Martin Norman)氏
Maxava
戦略パートナー開発担当マネージャー
Maxava HA Enterprise+
https://www.jp.maxava.com/products
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