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LANSAリポジトリを探索・分析・可視化する「LREP」 ~ 直感的に操作でき、開発・保守作業を改善・効率化

LREP(LANSA Repository Explorer for Productivity)は、開発ツールLANSAのリポジトリを探索・分析・可視化するツールである(図表1)。

図表1 LREPの概要

システム改修時の影響調査をはじめとして、アプリケーション開発の設計から開発、テスト、実装まですべてのフェーズをサポートする多様な機能を備える。

開発元のエム・アイ・エスは、LANSAを用いた受託開発で20年以上の経験をもつSIer。言わばシステム開発の現場を熟知したベンダーによるツールで、「LANSAリポジトリの可視化・分析ツールとしては世界初」(同社)。LANSAのWebサイト(日・米)にもパートナーのソリューションツールとして掲載済みである。

システムの改修・開発をよりスピーディに、より的確に行いたいというニーズは、LANSAユーザーも例外ではない。とりわけシステムのモダナイゼーションや若い世代への開発・保守作業の継承をテーマにしている企業では切実さが増している。

「そうしたテーマをもつお客様の間では、システムがブラックボックス化しているために最新の仕様が把握できなかったり、システム改修時の影響調査の精度でベテランと若手の間に大きな差が出てしまうなどの問題が起きています。LREPはそれらの問題を解決し、開発・保守作業を改善・効率化するツールです」と、東京ソリューション部 部長の新保宏治氏は説明する。

LREPの特徴は、「直感的な操作性」「品質向上への貢献」「パフォーマンス向上への貢献」の3つに大きく絞ることができる。

直感的な操作性とは、Windowsライクなユーザーインターフェースによる容易な操作性をさす。ファイル関連図やプログラム関連図など14種の設計書を数クリックで取得可能で、出力される設計書は、専用のEXCELテンプレートを用意しているので、ワープロソフトで作成された設計書と比較してもまったく遜色がない。

また複雑な検索条件の設定も容易で、検索結果を種別ごとに(リスト/構造/ 詳細など)表示するので(図表2)、さらなる調査をテンポよく進めることができる。

図表2 LREPの画面

新保氏は、「ベテランのLANSAユーザーはRUNQRYやRETMNUなどのコマンドやVLエディタを駆使して影響調査を行いますが、それにはスキルと経験が必要で、新人には大変です。LREPを使うと11種類の検索方法からの選択だけで影響調査が行えます」と話す。

品質向上への貢献では、クロスリファレンス機能で関連するオブジェクトを自動的に抽出できる点や、検索結果をすべてCSVで出力できる点が挙げられる。CSV出力なので2次加工も容易。

「ツールがなかったときは、当社でも画面をキャプチャしたり手作業でテキスト化していました。CSVで検索結果が得られると情報共有が容易で、後輩への作業指示なども正確かつスピーディに行えます」(新保氏)。

たとえば、LANSAエディタでクロスリファレンスの結果をドキュメント化するには画面ハードコピーを取るしかないが、LREPはCSV出力できるので2次加工が容易。常に最新のリポジトリ情報から設計書を出力するため、設計書の改定漏れなどの心配は一切ない。

3つ目のパフォーマンス向上への貢献では、システムの複雑性の数値化や改善要素の明示化が挙げられる。

LREPは、プログラムの複雑度を1~10の数値で表す機能をもつ。ソフトウェアメトリクス(循環的複雑度など)に基づく判定で、改修担当の割り振りや指示を行う際の指針になる。またLREPには、ネーミングルールなどの開発基準に準拠していないファイルやフィールドを洗い出す機能もある。

「LREPは、LANSAの設計情報やプログラムを蓄積したリポジトリから情報を取得するので、担当者の経験やスキルには左右されない結果が得られます。これによりプログラムの改善や標準化を効率よく進めることができ、開発・改修のパフォーマンスを向上できます」と、新保氏は述べる。

LREPにはこのほか、改修前後のソースの比較や、ソースで確認したい部分のみを表示する要約機能など、「現場担当者の目線で実装された機能」(新保氏)が多々ある。モダナイゼーションや要員の世代交代を課題とするLANSAユーザーには、一見の価値のあるツールだろう。

 

株式会社エム・アイ・エス https://www.mis.co.jp/