The Linux Foundationは4月14日、調査研究・出版部門「Linux Foundation Research」を設立した、と発表した。調査研究に特化した部門の設立は初めて。
部門のトップには、ヒラリー・カーター(Hilary Carter)氏が就任した。同氏は今年3月までBlockchain Research Instituteに在籍し、「100以上の企業向けブロックチェーン技術研究プロジェクトの開発および出版をリードした」という。
同部門は、Linux Foundationが新規プロジェクトを採用する際に判断材料として利用できる調査・研究の提供や、オープンソース・プロジェクトの認知度向上、参加の促進、オープンソース・プロジェクトにおけるコラボレーション・レベルの向上などをミッションとしているようだ。
部門トップに就任したカーター氏は、Linux Foundationのスタッフによるインタビューに答えて、「Linux Foundationにおいて何が行われているのかを説明するだけでは不十分。オープンソース・コミュニティが社会のあらゆる局面でなぜ必要なのか、その核心に迫ることが重要で、オープンソース・コミュニティへの参加によって世界のさまざまなレベルでポジティブな変化を起こせることを示すことが大切です」と述べている。
また、Blockchain Research Institute時代の経験と今後への影響について問われ、次のように答えている。
「技術としてのブロックチェーンは、システム・アーキテクチャや研究の進め方に関する私の考え方に間違いなく影響を与えています。(ブロックチェーンの)非中央集権、協調性、透明性、不変性、プライバシーはこの数年間、私が最も重視してきた課題です。ブロックチェーン・システムは、信頼性と安全性、リーダーシップ、ガバナンス、そして大規模なコラボレーションが適切に組み合わされていると、非常に優れたものとなります。それが私が学んだことの1つで、このような価値観はLinux Foundationとそのコミュニティ活動に、すぐに反映されると思います」
・Linux Foundationのリリース
・ヒラリー・カーター氏へのインタビュー「Interview with Hilary Carter, VP of Linux Foundation Research」
[i Magazine・IS magazine]