ランサ・ジャパンの「LANSA BI」は、LANSA とデータ分析専業の Yellowfinがタッグを組んで開発した BIツールで、業務ユーザーがデータ分析・活用を簡単に行えるようにするための機能を豊富に備えた新しいタイプの製品である。
「企業におけるデータ分析は、データ分析のエキスパートとその結果を利用する業務ユーザーに分かれているのが一般的ですが、LANSA BIを組み込んだアプリケーションのユーザーはアプリケーションの利用中にいつでもデータを分析でき、その結果を得て業務を進めることができます」と、ランサ・ジャパンは説明する。
LANSA BIは、「ダッシュボード」「分析」「共有」「アクセス制御」の4つ の機能を備え、ブラウザで利用できる。
ダッシュボード
ダッシュボードは、ビジネスの状況をグラフやテキストなどで一覧表示したもの。ユーザーはダッシュボード上のグラフなどをドリルダウンやドリルスルー、フィルターなどの機能を使って分析していくことで、効率的にインサイトを得ることができる。
また、ダッシュボードに配置するグラフやイメージなどは、ユーザーがドラッグ&ドロップで自由にレイアウト可能である。
分析
分析機能には、インサイト、シグナル、ガイド付きNLQの3つの機能がある。
「インサイト」は、データのもつ意味を自動で比較・説明しインサイトを提示する機能。表示中のグラフを右クリックすると、そのグラフと比較可能な項目がプルダウン表示されるので、選択すると比較の結果がグラフ表示され、そこからさらに各種機能を用いて分析を進めていくことができる。またインサイトの結果をメンション機能を使って同僚・メンバーなどに送付することも可能である。
一般的に業務ユーザーの間でデータ分析が広がらない理由の多くはBIツールを使いこなすための学習コストが高く手軽に利用できないことだが、 LANSA BIはデータ分析のハードルを下げ、分析を簡単に行える機能を備えていると言える。
「シグナル」は、売上低下などの異常値が発生したときにアラートを発報する機能で、アラート通知のタイミングはしきい値で設定できるほか、データの時系列変化を自動で分析し通知するという設定不要のアラート機能もある。
「ガイド付きNLQ」(NLQ : 自然言語 クエリー)は、LANSA BIが提示する項目を選択していくとクエリーを作成でき、そのクエリーで分析するという機能である。
たとえば、販売価格(合計)→予算(合計)→販売会社名→都道府県という項目をガイドに沿って選択していくと、「販売価格(合計)と予算(合計)を表示する。販売会社名と都道府県ごとに表示する」というクエリーが作成できる。「ガイド付きNLQを設けたのは、クエリーによる分析を最適化するため」と、ランサ・ジャパ
ンは話す。
共有
共有機能には、「ストーリー」「プレゼンテーション」「ブロードキャスト」の3つの機能がある。
ストーリーは分析結果をブログ形式 にまとめる機能。プレゼンテーション は分析結果をPower Point形式にセッ トする機能で、カスタマイズも可能。 ブロードキャストはデータ分析の結果 をメール配信できる機能である。いず れも分析結果を共有するための機能で、「データは分析だけでなく共有によって価値が高まる」と、ランサ・ジャパンは共有機能を設けた理由を述べる。
アクセス制御
アクセス制御は、データへのアクセスをコントロールする機能で、ユーザーが所属する組織・チームやロールにより細かく制御可能できる。
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LANSA BIはデータ分析のハードルを大きく下げる機能を備えるという点において、企業におけるデータ分析・活用のあり方を変革するインパクトを秘めたツールと言えそうだ。
・LANSA BI
https://www.lansa.jp/products/lansa-bi/
*お断り:LANSA BIの記事は10月5日に投稿しましたが、追加情報を入手しましたので内容を更新し、あらためて記事化しました。
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