一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会（以下、JUAS）は、企業のIT投資・IT戦略などの動向を調べる「企業IT動向調査2023」（2022年度調査）を実施した。この調査では、対象企業にDXの推進状況を尋ねている。
「DX推進ができていると思うか」の質問で、「非常にそう思う」または「そう思う」という企業は全体の24.7％であった。前回調査よりは増えているが、全体の4分の1にすぎず、DXが十分に推進されているとはまだ言えない。
売上高の大きい企業ほど、DXが進んでいる傾向も見られる。売上高1兆円以上の企業では73.2％が「非常にそう思う」または「そう思う」と回答。21年度調査時から13.2ポイント増と大きく伸ばした。
一方、売上高1兆円以下になると「非常にそう思う」「そう思う」と回答した割合は低下し、売上高1000億～1兆円未満では40.3％（0.7ポイント増）、売上高100億～1000億円未満では19.8％（2.8ポイント増）と、売上高1兆円以上の企業と大きく開きがある。21年度調査時からの伸びも鈍い。
売上高100億円未満になると、「全くそう思わない」の割合が18.4％と「非常にそう思う」「そう思う」の15.9％を上回る。
いずれの売上高規模も、前回調査（21年度）よりもポジティブな回答の割合は上がりましたが、まだDX推進の成果を実感するには課題を残していると指摘している。
DX推進を実感している企業は、そうでない企業と何が違うのか。カギを握るファクターの1つが「データ活用」であると同調査は指摘している。
DX推進状況別にデータ活用の取り組み状況をみると、DX推進を実感している企業ほど「組織横断的にデータ活用ができる環境を構築し、ユーザーが利用している」の割合が高い。とくに「非常にそう思う」と回答した企業では、「データ活用に取り組んでいない」とする企業は0％であった。
DX推進とデータ活用の推進はセットで進めていくことが必要と同調査は指摘している。
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