IBM会長兼CEOのアーンビド・クリシュナ氏は、7月19日(現地時間)に行われたIBMの2021年第2四半期決算発表会で、7月2日にIBM社長の座を降りたジム・ホワイトハースト(現・IBMシニア・アドバイザー)について言及し、「彼が投資家になりたいという気持ちも理解できます」と、次のように語った。
「(最近)多くの異動がありましたが、ここではジム・ホワイトハーストについて述べたいと思います。彼は社長を退任しましたが、私をはじめとするリーダーシップチームのシニアアドバイザーとして残ります。ジムは、Red Hatの統合を含む当社の戦略の多くを担当しました。買収を発表してから3年近くが経過しましたが、この統合が成功したことは間違いありません。ジムは今でもIBMと現在の戦略に強い信頼を寄せています。ジムの経歴を考えれば、彼が投資家になりたいという気持ちも理解できます」
ホワイトハースト氏の社長退任については米メディアの間で驚きと衝撃をもって受け止められ、さまざまな論説や憶測が飛んでいた。クリシュナ氏の言及は、これをしずめる狙いもあると見られる。
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クリシュナ氏が決算発表で語ったそのほかの要旨は、以下のとおり。
「当四半期は引き続き順調に推移しました。当四半期の売上高は、グローバル・ビジネス・サービスとソフトウェア事業が牽引し、3%増に改善しました。また、上半期のフリー・キャッシュフロー(調整後)も増加しました。
製造業における自動化、ヘルスケアにおける遠隔医療、小売業におけるオムニチャネルなど、あらゆる業界において、企業はテクノロジーを活用してビジネスプロセスを再構築しています。このようなデジタルトランスフォーメーションは、ハイブリッドクラウド環境によって実現されています。当社がお客様に提供するテクノロジーとサービスは、お客様のビジネスの成長と生産性の向上、そしてお客様の体験の向上を可能にします。これが、当社の戦略がハイブリッド・クラウドとAIに重点を置いている理由です。
一方で、全体的な消費環境は改善を続けています。世界の多くの地域で経済が再開し、多くの市場や産業が軌道に乗りつつあります。これは、北米や一部の業界で見られます。
当社は今年度の財務目標である収益の成長と、調整後フリー・キャッシュフローを110〜120億ドルにするという達成に向けて順調に進んでいます。
当社は、当社の戦略を実行するために必要な断固としたステップと投資を継続して行っています。これには、ポートフォリオを強化するための買収、顧客への新たなイノベーションとデジタル機能の提供、パートナーエコシステムの拡大、Go-to-Marketモデルの変更の加速などが含まれます。と同時に、チームに成長マインドを浸透させ、より顧客中心の文化を構築することも重要です。当社はKyndryl社の分社化を実行しており、年内の完了に向けて順調に進んでいます。最近発表されたシニアチームの人事も、当社の戦略的優先事項を支え、強化するものです」
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