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5月18-19日開催「ISE Technical Conference 2023」、講師・説明員・船長が語る「推しのポイント」 ~35以上のセッション、50以上の技術展示、20のVoyagers

ISE Technical Conference 2023が5月18日(木)・19日(金)の2日間、リアルとオンラインのハイブリッドで開催される。

35以上のセッション、50を超えるShowroomでの技術展示、そして「Voyages」と呼ぶ新しい取り組みも紹介される。数あるセッション、Showroom、Voyagersの中から、各チームの講師、説明員、船長に「推しのポイント」を寄稿していただいた。

◎ セッション

講師:近藤 仁

Web3とは次世代のWebの姿を指すことばで明確な定義はありませんが、いまWebが変わるといわれる背景にはブロックチェーン技術があります。当セッションではWeb3の概要を理解するため、主要要素としてパブリックブロックチェーンをベースとした代替可能トークン(FT、Fungible Token)、NFT(非代替性トークン、Non-Fungible Token)やDAO(分散型自律組織、Decentralized Autonomous Organization)といった概念やEthereum(イーサリアム)における開発の基礎をご紹介します。また、NFTやDAOを活用したユースケースなどからビジネス展開のヒントを探ります。

講師:藤野 大地、板場 幹夫

当セッションではインフラ・エンジニアを対象としています。お客様のインフラ/システムの運用・監視の仕組みを構築・保守・拡張・更改する方となります。インフラ・エンジニアの主な責務は、「システムの可用性担保」です。そのためにシステム運用・監視の仕組みがあります。

インフラ・エンジニアにまず優先されるのは、「効率化・自動化によるコスト削減」でしょう。そして効率化・自動化が十分に進んだあとの次のステップは、新しい付加価値の提供でなければなりません。インフラ・エンジニアの新しい付加価値として、私たちは「DevOpsライフサイクル」を挙げています。 

DevOpsライフサイクルとは、高品質なサービス/アプリケーションを迅速に提供するための反復型の開発ワークフローです。とはいえ昨今では、DevOpsの理想は浸透しつつも、インフラ・エンジニアとアプリケーション開発者の隔たりを埋めることの困難さが依然として存在しています。

この隔たりを解消し、インフラエンジニアがDevOpsの中で価値を提供できるようになるには何が必要でしょうか。DevOpsライフサイクルを理解しDevOpsに対応した運用・監視を取り入れることで、インフラ・エンジニアもアプリケーション開発へ直接貢献することができます。

本セッションではインフラ・エンジニアがDevOpsに進出するメリットを解説し、何から手を付けるべきか具体的な施策を、インフラ・エンジニアの実体験を踏まえてご紹介します。

◎ Showroom

デモ担当者:牛黄蓍 知代子

データが重要な資産として扱われる現代社会において、データのバックアップ、復元、監視、災害対応計画の策定など、データおよびシステムの回復力を高めるための対策が必要不可欠です。

オンプレミス・システムからIBM Cloud Power Systems Virtual Server (以下、PowerVS)を採用されるケースにおいても、データ保護、バックアップ方法の理解を深め、回復力の高いシステム構成が重要です。

オンプレミスで実行しているストレージ機能によるフラッシュ・コピーでのバックアップ取得などはPowerVSでもスナップショットやボリューム複製といった機能があり、オンプレミスと同等にPowerVS でもバックアップを取得することが可能です。

また、クラウドで稼働するシステムでは、安全性を考慮しプライベート・エンドポイントを使用してサービスの操作を実行するケースは多くあります。PowerVSではコロケーションとしてIBM Cloudネットワークと分離しているため、プライベート・エンドポイントを使用する場合には実行基盤構成の考慮も必要となります。


上記の要件や課題を解決するため、このソリューションでは IBM Cloud Code Engineを使用して、PowerVSのAPIを呼び出し、バックアップ・ジョブを実行する環境を用意しました。

Code Engineとは、Kubernetesベースのコンテナ実行環境のPaaS (Platform as a Service) です。Code Engineを使用することで、コードのカスタマイズが容易に行え、簡易なCI/CDと運用を実現します。また定期タイマーによりバッチ・ジョブによる自動実行が可能となります。

ソリューションを通じて、安全性と高い回復力を持つPowerVSで稼働するシステムのご検討の一助になればと考えています。

デモ担当者:寺内 瑞季

既存のオンプレミス環境をクラウド上にリフトした際、オンプレミス環境で実現していた本番環境と災対環境間のデータ同期の仕組みをクラウド上でどのように実現し運用するかについては、懸念事項の1つとされているお客様も多いはずです。

IBM Cloud上のIaaSであるIBM Power Systems Virtual Server(以下、PowerVS)では GRS(global replication service)を利用することで、従来のIBM Powerを利用したオンプレミス環境で可能だった本番環境と災対環境の間でのデータ複製が、クラウド上でも可能となりました。

GRSを利用することで、PowerVS上の2つの異なるリージョン間で、本番サイトの被災時に災対サイトでデータ引き継ぎができます。

PowerVSとGRSを利用することで本番環境と災対環境間でデータ同期を行っている環境を単純リフトすることが可能となり、オンプレミス環境と同様の災対運用を実現できます。

実際に災対環境の運用として想定される以下のような運用が、GRSを使用するとオンプレミス環境から最小限の変更で実現できます。

・災対環境への切り替え
・本番環境と災対環境へのディスク追加
・本番環境と災対環境のサーバー起動停止手順
・本番・災対環境間の同期状態確認

Showroomでは、実際に災対環境の運用で想定される上記の作業の中から、PowerVS上でGRSを利用して本番環境から災対環境への切り替え手順をお見せします。災対環境のクラウド上での運用が難しくないことを、ぜひ体感してください。

デモ担当者:北村弘道、藤川雄司

「ifpon(イフポン)」とは、バイアスを破壊しながらアイデア出しをサポートしてくれるツールです。ランダムに出された名詞・動詞・形容詞を組み合わせて大喜利感覚でアイデア出しを行うため、アイデア出しが得意でない方でも楽しくアイデアの種を創出できるソリューションです。

innovatty主催イベント「サウナッカソン」では、「映えるサウナ」というテーマに対して、名詞:グッズ / 動詞:食べる / 形容詞:多い の組み合わせから “サウナストーンを使ったラーメンを作る”と言う斬新なアイデアが創出されました。

また、ifponの活用方法はアイデアソンなどのアイデア出しシーン以外でも活躍します。たとえば、チームビルディングを行う際のアイスブレイクでは、突拍子もないアイデアを出し合うことでチーム内でアイデアを出しやすい雰囲気醸成などの効果が見込めます。

さらに、ifponに登録したワードやアイデアは、ファイルで出力することができるため、成果物の管理が容易でアプリ上で振り返ることも可能です。実際に、ifponはさまざまなイベントで活用されています。

【イベント例】
・IBM主催イベント
・IBM Consulting WayDay
・ISE Conference 2022(2023も実施予定)
・innovatty主催/共創イベント
・innovatty主催イベント「サウナッカソン」
・innovatty主催イベント「SDGsアイデアソン」
・innovatty(IBM有志メンバー)共創イベント「異業種交流会」

このように、ifponはバイアス破壊を通してアイデアを思いもよらない方向へと発展させ、素晴らしいアイデアの種となるでしょう!

デモ担当者:矢野周作

従来の点検業務における課題として、メンテナンス時の問題箇所の特定が困難、点検レポート作成に時間がかかる、および関連書類の散在が挙げられます。これらの問題に対処するために、AR工場点検ソリューションは、以下のように効果的な解決策を提案します。

点検担当者が問題を発見したら、該当箇所にARメモを残すことによって、従来の文字や写真だけでは表現が難しい空間情報を直感的かつ視覚的に提供することができます。これにより、メンテナンス担当者は現場で具体的な問題箇所を素早く特定し、適切な対応を行うことが可能になります。

点検作業が終了すると同時に、アプリで撮影した写真や担当者が書いたコメントがサーバーに送信され、そこで点検レポートが自動で作成されます。それより、レポート作成の手間や時間を大幅に削減でき、業務の効率化につながります。また、クラウド上で点検履歴やレポートなどの情報管理を一元化することで、関連書類の散在問題を解消し、情報の取り扱いが容易になります。さらに、デジタル化されたレポートは、他の関係者との共有が容易であり、将来の参照やデータ分析にも役立ちます。

今後の展望として、AIと組み合わせることにより、将来的には点検業務の自動化や予測メンテナンスも実現可能となります。これにより、企業はさらなる効率化やコスト削減を実現できると同時に、設備の寿命を延ばし、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。

 

◎ Voyagers

船長:児島芽衣

本Voyagers活動では、人事AIバーチャルエージェント(人事向けチャットボットアプリ)の改善と機能拡張に取り組んでいます。人事AIバーチャルエージェントは、2021年にISEとIBM ConsultingのTalent Transformation Strategy & Processチームで共同開発をしたアセットであり、現在に至るまで4社のお客様に展開しています。

現在はISE Showroomでのデモの展示を目指し、Customer Care実現に向けたさらなる改良や、Workdayなどの社内人事システムのAPI連携に取り組んでおり、今後はFoundation Modelなどの最新技術の活用も視野に入れています。

今回活動を立ち上げた経緯としては、案件の期間や予算に左右されずアプリの開発や改善に取り組む環境が欲しかったことからでした。アセットを展開する中で、お客様からの要望を受けたり、自分達で改善したいと思ったりした箇所があっても、案件の都合上取り組むことを諦めた場面が少なからずあります。そのような時に、貴重な生のお客様の声や自分たちが取り組みたいと思った内容を捨て置くのではなく、実際に取り込んでよりよいアセットとする材料として活用するために、Voyagersとして活動をすることにしました。

我々のVoyagers活動の目標は人事AIバーチャルエージェントを広め、さらなる改良とアセットの展開を行うことです。それに向けた第一歩として、ISE ConferenceのShowroomでデモ展示およびセッションで取り組みの紹介を行う予定です。人事AIバーチャルエージェントの詳細説明や実際に動いているデモを見に、ぜひお気軽に足を運んでいただけると嬉しいです。

◎セッションも実施
5月18日(木)14:45~15:15
A-3 Customer Careを実現する人事AIバーチャルエージェントの概要と導入事例ご紹介

船長:平野聡美

NFT、Ethereumを学び、サステナビリティへの活用を検討するチャレンジです。NFT、Ethereumを使ったソリューションの提案や、アプリケーション開発ができることを目標としています。

ISEで実績があるわけではないので、どのように活用するのかを模索しながら活動しています。現在メンバーでスタディを進め、ISE Technical ConferenceのShowroom用にNFTを売買するデモを開発中です。

デモは動くものができそうですが、NFTならではのユースケースやISEのビジネスにつなげる方法が思いつかない、技術的な変化が速いので追いかけるのが大変なのが目下の悩みです。今後は協業先のIBM Consultingの方からお客様課題を伺ってユースケースを増やし、提案資料やデモを拡張したアセットを開発したいと考えています。

現在Showroom用に開発しているデモについてご紹介しますと、CO2再利用に関連する活動をした企業が、CO2を再利用したという証明書をNFTアートとして売り出し、一般の方に購入いただくという内容になっています。CO2再利用のくだりは何を言っているか分からないと思いますが、デモのように企業がNFTを売り出すことで、一般の方の目に触れる機会が増えて企業の活動を知っていただくことにつながると考えています。

こんな感じで船員一同活動しています。応援よろしくお願いします。

ISE Technical Conference 2023の参加申込サイトはこちら

 

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