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回答1013社の3/4が「DXに取り組み中」、日本企業のDX化の状況を多角的に調査・分析、IPAの「DX動向2024」 ~レガシーシステムの6割以上はオンプレミスに残存

IPA(情報処理推進機構)は6月27日、「DX動向2024」を発表した。2021年版、2022年版に次ぐ3回目の調査報告書で、1000社以上の企業から回答を得て、日本におけるDXの取り組みの状況を分析している。

今回の調査概要は以下のとおり。

・調査対象:国内企業の人事部門、情報システム部門、DX推進部門等
・調査期間:2024年2月9日(金)~2024年5月2日(木)
・調査項目:2022年度調査項目+新規設問項目
・調査対象数:7564件
・回収数:1013件

報告書は、「本編」54ページ、「データ編」104ページあり、DXの取り組みの状況を多角的に捉えられている。以下に主なハイライトを紹介する。

DXの取り組み状況

今回の調査(2023年度版)では、3/4(73.7%)の企業が「DXに取り組んでいる」と回答した。これは前々回調査より17.9ポイント増、前回調査より4.4ポイントの増加で、「DXは着実に企業に浸透している」と報告書はいう。

DXの項目別の成果

DXの項目別の成果は、前回調査の傾向と大きな変化は見られなかった。このうち「すでに十分な成果が出ている」「すでにある程度成果が出ている」のが70%を超えているのは、「アナログ・物理データのデジタル化」と「業務の効率化による生産性の向上」の2つ。そのほかは50%未満である。

AIの導入状況(従業員規模別)

従業員1001人以上の企業は半分以上が導入済み。従業員規模の小さいな企業との差が著しい結果が見られる

AIの導入目的(DX成果別)

図表の上段(水色)は「DXの成果が出ている」、下段(橙色)は「DXの成果が出ていない」である。「業務効率化による業務負担の軽減」と「生産性向上」の2つが、「成果が出ている」「成果が出ていない」とも他のよりも抜きんでて多い。

生成AIを導入する目的

「ドキュメント作成・編集・翻訳が81.2%で最多だが、多様な目的があることがわかる。

システム開発の内製化(従業員規模別)

「内製化を進めている」割合は従業員1001人以上の企業が最も多い。300人以下では19..1%、100人以下では13.0%という結果である。

内製化を進めるにあたっての課題

「人材の確保や育成が難しい」との回答が2位の2倍以上あり、突出している。

現在のレガシーシステムの内容

レガシーシステムとして残存しているものの63.4%は「オンプレミス」にある。

レガシーシステム刷新の課題

他の案件への対応が優先されることが、レガシー刷新の大きな課題である。

 

「DX2024」(本編)の目次

1. DX 取組と成果の状況
1.1. 概要
1.2. DX の取組状況 .
1.3. DX の成果
1.4. DX の成果把握のための評価

2. DX 実現に向けた技術利活用の状況
2.1. 概要
2.2. データの利活用状況
2.3. AI の利活用状況、生成AI の導入状況
2.4. システム開発等の内製化の状況
2.5. レガシーシステムの刷新状況

3. DX を推進する人材
3.1. 概要
3.2. 人材の過不足状況
3.3. 人材の育成方法と課題
3.4. DX 推進のための企業文化・風土

4. DX 関連施策の認知・活用状況
5. 「企業等におけるDX 推進状況等調査分析」概要
5.1. 調査概要
5.2. 回答企業のプロフィール

・DX動向2024
https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2024.html

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