IDC Japanは8月24日、国内IoTプラットフォームに関する調査結果を発表した。
同調査では、IoTプラットフォームを提供する事業者を、構成要素やソリューションの提供形態、注力領域の違いによって分類している。
まずIoT向けの通信サービスを提供する事業者を、「包括的なIoTプラットフォームを提供する通信事業者」と「IoTネットワークサービスを提供する新興企業」に分類。
その他の事業者を、「ビルディングブロックを提供するクラウドサービス事業者」「ビジネスコンサルティングを提供する大手SIer(システムインテグレーター)」「多様な機器への接続性などを強みとする新興企業」に分類し、合計で5つの分類を設けている。
こうした分類を基に、2022年8月に行った「IoT担当者調査」の結果を併せてIoTプラットフォームの利用状況を分析したところ、「ビルディングブロックを提供するクラウドサービス事業者」と「多様な機器への接続性などを強みとする新興企業」が提供するIoTプラットフォームの利用率が高まっていることが分かった。
クラウドサービスはIoTの用途に限らず利用企業が多く、また利用方法についてのスキルを持つエンジニアも多いため、クラウドサービス事業者が提供するIoTプラットフォームを利用する企業は、今後も増加するとIDCでは見ている。
またIoTプラットフォームを提供するベンダーに対して実施した調査からは、この1~2年で増加したユースケースとして、画像を活用する用途があることが分かった。
また、IoTプラットフォームにおいて成長性や潜在需要が大きいユースケースには、物流分野の用途、IoT衛星通信や生成AIなどの新技術を活用する用途があるとIDCでは見ている。
IDC JapanのInfrastructure & Devicesのリサーチマネージャーである山下 頼行氏は、「提供するIoTプラットフォームの構成要素と、ソリューションの提供形態や注力領域の違いによって、IoTプラットフォームの提供事業者を分類できる。競争の中心となっているのはクラウドサービス事業者であり、それ以外のIoTプラットフォーム提供事業者はクラウドサービス事業者との差異化を基礎に戦略を組み立てるべきである」と述べている。
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