IDC Japanは12月6日、国内ユーザー企業のオフィスプリンター環境導入判断関係者を対象に、新型コロナ後の働き方の変化と、求められるオフィスプリント環境に関する調査結果を発表した。回答者は868人。
それによると、2021年9月の調査時点で在宅勤務を続けているのは、大企業74.7%、中堅・中小企業55.8%、小規模企業36.8%で、規模が大きい企業ほど在宅勤務を継続している。また産業別では、情報サービスが81.4%、金融が75.0%と高く、医療や流通は27.8%、46.8%と低かった。在宅勤務を実施していない理由の第1位(65.4%)は「在宅では実施できない業務が多い」だったが、医療や流通は「在宅では実施できない業務が多い」業種と考えられる。
一方、コロナ後の働き方を尋ねた調査では、大企業の69.1%、中堅・中小企業の59.1%が「コロナ前に戻らない」と回答したのに対して、小規模企業は半数以上(57.6%)がコロナ前に戻る考えであることがわかった。「COVID-19の影響で起きた働き方の変化は、比較的規模が大きい企業では今後も続く方向にあり、小規模企業では元の働き方に戻る方向で動く可能性が高い」と、IDCは分析している。
在宅勤務については、大企業の52.4%がコロナ収束後も継続すると回答している。中堅・中小企業は29.8%、小規模企業は21.2%に留まる。また大企業の38.9%は、本社オフィスの縮小を考えているという。
IDCでは、新型コロナ収束後の働き方の変化は、「まず大企業を中心に起きる可能性が高い」と見る。そしてクラウドプリントへの投資が拡大すると予測するが、クラウドプリントへの投資を具体的に考えているのは、回答者の26.0%に過ぎなかったとレポートしている。IDC Japanの石田 英次氏(イメージング、プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャー)は、「大企業を中心に、新型コロナ収束後の新しい働き方を模索する動きが広がっている。その一方で、今後必要なオフィスプリント環境投資については、具体的な施策を決めかねているようである。ベンダーは、COVID-19収束後の新しい働き方を支援するオフィスプリント環境投資を具体的に提案するべきである」と述べている。
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