IDC Japanは8月5日、日本およびアジア太平洋地域の消費者IT支出の予測を発表した。
それによると、2022年は「市場の成長が鈍化していることが明らか」で、2023年は「景気減速の深刻さに応じて、さらなる低下が予測される」という。
理由は、世界的な景気後退のリスクが、「インフレ率の上昇と金融政策の引き締め期待の中で上昇し続けている」ため。インフレ率の上昇は、「進行中のサプライチェーンの制約、地政学的な緊張、食料とエネルギー価格の高騰、中国での2022年初頭のロックダウン」によって引き起こされている。
ただし、企業やサービスプロバイダーからのIT投資については成長の鈍化は見られず、「これまでのところ安定している」という。これは、企業が短期的にIT予算を確保し続けているため。
国別に見ると、シンガポール、韓国、インド、タイ、台湾などは、エネルギーとコモディティの純輸入国であり、「価格上昇のために、より高いインフレを目の当たりにしている」。
その一方、石炭、石油、ガスなどを輸出するインドネシアとオーストラリアは、現在の状況から恩恵を受けている。
中国は、ロックダウンが解除され、サプライチェーンの制約が緩和され、改善している。2023年は「政府の介入が安定と成長を促進するため、力強い回復が期待されている」という。
日本は、2022年1月と6月は前年同期比で2%台の消費者IT支出の伸びだったが、年間では1%の成長にとどまる(下図)と予測されている。
[i Magazine・IS magazine]