IDC Japanは4月19日、国内企業ユーザーのAIシステムの利用に関する調査結果を発表した。調査は企業の担当役員・管理職・情報システム担当者などを対象に実施され、511社が回答した。
それによると、2022年に全社または事業部門でAIシステムを利用中の企業は全体の53.1%となり、2021年より17.5ポイント増加した。また2018年以降の推移で見ると、実利用とPOCを合計した割合は相対的に増加しており、POCが一定数の割合で存在し続けている、としている。
この増加の要因として、IDCでは「AIシステムを利用するユースケースの増加」を挙げる。2021年調査では1社あたり3.0種類のユースケース数だったのが、2022年は3.6種類へと増加した。また2023年に追加予定のユースケース数は、「3~5個」が37.0%、「6~9個」が23.7%、「10個以上」は12.1%あった。
ユースケースの種類は、「品質管理」がトップで34.4%、2位「ITオートメーション」が32.4%、3位「サプライ/ロジスティクス」が28.0%で、以下、「不正行為分析」「自動顧客サービスエージェント」「人事オートメーション」などとなった。
なお、ご参考までに2021年6月発表の「国内AIシステム市場予測」を紹介する。それによると、2020年の国内AIシステム市場は実績で前年比47.9%増の1579億8400万円、2021年については前年比34.1%増の2119億1600万円と予測していた。今回調査の回答企業は511社だが、それらが“特異なAI先進企業”ではなく、日本企業一般の傾向を示していることがわかる。
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