IDC Japanは8月1日、2021年の国内ITサービス市場の市場規模と分野別状況、およびベンダー売上ランキングを発表した。
2021年の国内ITサービス市場規模は5兆8712億円で、対前年比3.2%増。ベンダー別の売上高は、富士通、NTTデータ、日立製作所、NEC、IBMの順だった。
1位 富士通と2位 NTTデータの売上高は1兆円超え。NTTデータの1兆円超えは初めて。3位 日立との差を広げた。IBMはキンドリルの分社化により売上高とシェアを落としたが、「IBMに残留した部分が好調であったこと、もともと6位以下との売上額の差が大きかったことから、順位の変動にまでは至らなかった」という。
またアクセンチュアが7年連続で、対前年比の成長率が最も高いベンダーだった。「コンサルティングから設計/構築、運用、BPOサービスまでを一貫してサポートする一連のサイクルが効果的に機能している」と成長の要因を分析している。
セグメント別の状況は、以下のとおり。
プロジェクトベース市場
DX関連の需要の高まりや、SAP関連およびクラウドマイグレーション需要の継続、新型コロナの影響からの回復によって、上位10社のうち8社がプラス成長だった。
マネージドサービス市場
クラウドを含めた包括的なITインフラのアウトソーシングなどの需要が高く、上位10社のうち9社がプラス成長。
サポートサービス市場
従量課金型サービスが好調に推移した。このほかWindows 7のサポート終了や消費税増税前の駆け込み特需の反動減の終息、新型コロナによるハードウェア出荷の遅延からの回復などがあり、上位10社中8社がプラス成長した。
産業分野別の状況は、以下のとおり。
金融
オンライン系銀行、クレジットカード、損害保険など、各ベンダーがそれぞれ異なる領域で売上を伸ばした。
製造および流通
新型コロナの影響からの回復に差が見られたが、SAP関連の需要が引き続き高かったのと、流通ではeコマースやデジタルマーケティングなども成長の牽引役となりました。
通信/メディア
通信事業者向けの大規模案件の獲得状況がベンダーの売上動向に影響を与えた。
政府/公共
大規模な更改案件の獲得状況がベンダーの売上動向に影響を与えた。
その他
運輸サービス、旅行代理店、宿泊業などで新型コロナの影響の長期化が見られ、各ベンダーの売上を左右した。
[i Magazine・IS magazine]