IDC Japanは7月5日、働き方の未来(Future of Workstyle)に関する日本および世界の調査結果を発表した。
今年(2022年)3月~4月に日本・アジア・北米・欧州の「従業員500人以上の企業に勤務するFuture of Workstyle関連のIT施策の意思決定者」を対象にした調査で、日本から300人、海外は1316人が回答した。
それによると、働き方や働く場の改革についての準備・実行状況は「国内と世界の企業にはほとんど違いがなく」、現状や将来の備えに課題がある企業は「国内および世界とも約半数に達している」。
課題に関しては、日本と世界との間で違いが見られる。日本のトップ3は、
・従業員によるデータ(自社・顧客)の取り扱い
・企業文化の維持と進化
・効果的なチームワーク
であるのに対して、世界のトップ3は、
・効果的なチームワーク
・従業員によるデータ(自社・顧客)の取り扱い
・リモートワーク中の従業員の仕事ぶり
で、とくに「企業文化の維持と進化」で差が目立つ。またもう1つ差が目立つのは「パフォーマンス評価」で、日本が10ポイント以上高くなっている。IDC Japanでは、「これまで所定の勤務時間に仕事をすることがパフォーマンス評価の基本となっていたものが、リモートワーク中の従業員の勤務状況を視認しにくくなった国内企業の戸惑いがある」と分析している。
今後の投資計画に関する国内調査の結果は、「ビデオ会議」「クラウド型の生産性スイート」「作業/プロジェクト管理」といったデジタルワークスペース関連が上位。また、5割以上の企業が「モバイルアプリ」「プロセスオートメーション」などの自動化テクノロジーを導入中か今後18カ月以内に導入予定で、さらに「企業文化を維持するためにデジタルワークスペースを提供している」とする企業が5割超に及ぶという。
IDC Japanの市川和子氏は、「ハイブリッドワークが定着に向かう中で、その運用は多様化している」としたうえで、「どんな運用形態であっても、セキュリティを確保しつつコラボレーションを向上させ、同時に企業文化を維持するためにも、デジタルワークスペースへの投資が今後益々重要となる」と述べている。
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