IDC Japanは6月13日、国内顧客エクスペリエンス(以下、CX)に関する国内ユーザー企業の取り組み動向を発表した。
IDCでは顧客フィードバックループに基づいた企業の体制を「Future of Customer Experience企業」と定義し、そのための要素として「デジタルファースト時代の基本UX(User Experience)の構築」「顧客データ活用」「オペレーションプロセスの改善」「データエコシステム」「コラボレーション/組織文化の醸成」から成る5つの要素を定義している。
同調査では、上記要素のうち、「デジタルファースト時代の基本UXの構築」と基本UXから得られるデータを顧客フィードバックループに生かす「顧客データ活用」「コラボレーション/組織文化の醸成」における国内企業の取り組みを分析している。
調査の結果、国内企業におけるCXに関する取り組みに関して、以下が明らかとなった。
CRM導入はある程度浸透している
「デジタルファースト時代の基本UX(User Experience)の構築」に関して、各カスタマージャーニー地点におけるCRM導入は、ある程度浸透している。また、CRM利用上の課題や業務上の今後の注力分野の回答からは、他システムとの連携や他部署との連携など、カスタマージャーニーを通じた顧客データの統合や社内連携を志向する状況が推察される。
顧客に関するデータの収集割合は20%台以下
一方で、カスタマージャーニーを通じた顧客理解やCX向上に重要な「顧客データ活用」の状況では、顧客データの収集状況において、いずれのカスタマージャーニー地点においても顧客に関するデータの収集割合は20%台以下であった。また、現状把握以上の顧客データの活用や、顧客データの統合化も低位に留まっている。
CX向上に向けた具体的な取り組みに遅れ
「コラボレーション/組織文化の醸成」に関して、CX向上に向けた社内体制では、CXの重要性に関する社内理解は醸成されているが、施策実施のための予算設定や部署ごとのKPI設定など、具体的な取り組みに向けた基本方針の策定には至っていない状況が明らかになった。
社内の意思決定に関する項目と「データ収集/分析」が課題
CX施策推進における課題では「具体的な施策の決定不足」「CX推進組織の不明瞭さ」など社内の意思決定に関する項目と「データ収集/分析」に関する項目が上位となった。
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