日本IBMは3月23日、東京大学との提携(Japan IBM Quantum Partnership)に基づく量子コンピュータの国内設置場所を、神奈川県川崎市の「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター(KBIC)」に決定した、と発表した。
設置されるのは、世界初のゲート型商用量子コンピュータ・システム「IBM Quantum System One」で、同型の量子コンピュータが日本に設置されるのは初めて。世界でも米国、ドイツに続く3番目の設置国となる。
IBM Quantum System Oneは、2019年1月に発表された20量子ビットの量子コンピュータ・システム。ベースとなる量子ハードウェアは安定性を考慮した設計で、多数の量子キュービットを厳密に制御できる特徴がある。また、古典コンピュータと緊密に結合され、クラウド経由でハイブリッドな利用が可能という。
今回のIBM Quantum System Oneは東京大学が占有権を保有し、企業や公的団体、大学などの研究機関と量子コンピューターの活用に関する協業を進めていく。
なお、神奈川県内には慶応大学の「量子コンピューティングセンター」があり、その中にIBMとの提携による「IBM Q Network Hub @ 慶應義塾大学」が設置されている。慶応大学の量子コンピューティングセンターとKBICは、直線距離にしてわずか1km足らずで、いわば隣り合う場所に日本の量子コンピューティング研究の拠点が集結することになる。
KBICでのIBM Quantum System Oneの稼働開始は、2021年中の予定。
日本IBMニュースリリース:量子コンピューター「IBM Quantum System One」の設置を「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター」に決定
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