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IBM iバージョン・Powerモデルの移行が進む、RPG Ⅲのみの利用は28.7%、要員不足はさらに深刻化 ~IBM iユーザー動向調査2022|❶調査概要

i Magazineは、IBM iユーザーを対象にした「IBM iユーザー動向調査 2022」を2月14日〜4月30日に実施した。IBM iユーザーの利用状況と今後に関する考え・計画などを調査したもので、356名から有効回答を得た。コロナ禍で見送りが続いたため前回(2019年5〜7月)から3年ぶりの調査となった。前回はIBM i 7.4がリリースされた直後(2019年4月)で、Power7マシンの保守サービス終了(2019年9月末)の目前、今回はIBM i 7.5(2022年5月)とPower10スケールアウトサーバー(7月)の発表を間近に控えた時期の調査だった。

回答者の属性

回答者は、50代が43.8%と最も多く、次いで40代(31.5%)、60代(13.2%)と続き、20年以上のシステム経験をもつベテランからの回答が多数(64.0%)を占めた。業種は農林水産業を除く全業種から回答があり、製造業が51.4%、流通業が17.7%。企業の売上規模別では100億〜500億円未満が最多で36.8%、50億〜100億未満 21.9%、50億円未満 22.5%、500億円以上 17.7%の順。IBM iが大・中・小の企業で幅広く利用されていることが確認できた。

情報システム部門

情報システム部門の要員数は4〜9名が最多で34.8%、2位は1〜3名で29.5%、10名以上の合計は30.3%。ベンダーの常駐要員は、「いない」が73.3%、1名 4.5%、2〜3名 7.9%、4〜9名 5.6%だった。

IBM iのバージョン、Powerのモデル・台数

利用中のOSバージョンは、IBM i 7.3が47.5%で最多、以下7.2:24.7%、7.4:22.8%の順で、7.1以前も計22.7%あった。利用中のPowerは、Power9が48.8%で最多、以下Power8:34.3%、Power7:23.9%の順で、Power6以前は7.9%だった。

図表1に前回と今回の調査結果をまとめた。前回最多(47.2%)のPower7は今回23.3ポイント落とし、前回4位(11.2%)のPower9は今回36.8ポイント増えた。この3年間にマシンの移行が劇的に進んだことがわかる。これは日本IBMの保守サービス終了(EOS、2018〜2021年)の影響であることは明らかだ。

図表1 利用中のPowerのモデル(複数回答)

IBM i上で利用中の言語、新規開発用の言語

IBM i上で利用中の言語は、RPG Ⅲ(74.7%)、CL(72.5%)、RPG Ⅳ(62.4%)がトップ3で、以下SQL(24.7%)、COBOL(19.7%)、Java(12.9%)、PHP(12.6%)、Python(2.2%)と続いた。

IBM i上で新規開発する場合に利用する言語のトップ3も利用中の言語と同じだが、順位が入れ替わり、CL、RPG Ⅳ、RPG Ⅲの順になる。また前回調査との対比では、RPG Ⅳが5.6ポイント、CLが5.4ポイント増えた(図表2)。

図表2 IBM i 上で新規開発する場合の開発言語(複数回答)

またRPG ⅢとⅣについて詳しく見ると、RPG Ⅲのみの利用は28.7%、RPG Ⅲと固定フォームのRPG Ⅳの併用が24.1%、RPG ⅢとリーフォームRPGの併用が5.7%、3言語併用が16.1%という結果だった。

その他の利用状況調査

調査ではこのほか、サードベンダーの開発ツール、オープンソースツール、運用管理、HA・DR、データ活用・分析、RPA、AI、セキュリティ対策、オンプレミス/クラウドの運用基盤、利用中のクラウドサービスなどの利用状況や今後の計画について尋ねた。

IT部門が参画すべき経営課題、システム部門の課題

「IT部門が参画すべき短期・中期の経営課題」のトップ5は、「業務効率・生産性の向上」69.4%、「DXの推進」56.5%、「人材確保・人材育成」46.6%、「コスト削減」40.4%、「売上・収益の向上・改善」38.8%の順。「SDGへの対応」が16.0%あったほか、「社内コミュニケーションの強化」29.8%、「顧客・取引先への情報提供」16.0%、「対外的なコミュニケーションの強化」15.4%などコミュニケーション系を課題とするものや、「社員満足度の向上」を挙げる回答が約1/4(26.1%)あった。

「情報システム全般の課題」では、「システム要員の不足」が前回調査よりも11.2ポイント増え、群を抜く69.9%だった。要員不足が深刻化している。2位以下は「システム戦略に関する企画・立案力の不足」46.3%、「IBM iスキルの不足」46.1%、「最新情報に関する情報収集・実装・構築力の不足」43.0%の順。取引先のメーカー・ベンダー・SIerからの「情報提供の不足」「技術力の不足」を挙げる回答もそれぞれ10%強あった。

調査概要

調査名

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IBM iユーザー動向調査 2022

調査内容

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 2022IBM iユーザーの利用実態および今後に関する意向・意識の調査

調査対象

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IBM i ユーザー

調査期間

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2022年2月14日~4月30日

調査方法

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雑誌・メールマガジンで告知、Web回答方式 

質問数

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37問

有効回答数

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356件

調査実施者

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アイマガジン株式会社 i Magazine編集部

[i Magazine 2022 Summer(2022年7月)掲載]

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