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IBM Z Xplore ~無料で手軽に始められるIBM zSystemsの学習用プラットフォーム

text=山形 翼   日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング


IBM Z Xploreとは 

IBM Z Xploreは、全世界のユーザー向けに提供されている無料のIBM zSystems学習用プラットフォームである。実際にIBM zSystemsを操作しながら、自分の好きな時間に学習を進めることができる。

学習を始めるに当たって必要なステップは、以下の2つである。

① IBM Z Xploreのアカウント登録
② ローカルPCのセットアップ

以下に詳しく説明するが、早ければ30分で学習を開始できる。IBM zSystemsの環境はIBM Z Xplore側で用意されているので、ユーザーがセットアップする必要はない。

学習プログラムは、以下の3つのレベルで構成されている。

Fundamentals(初級)
Concepts(中級)
Advanced(上級)

ユーザーはFundamentalsから学習を始める。1つの課題をクリアするごとに、次の課題に挑戦できる仕組みになっているので、ユーザーはゲーム感覚で学習を進められる。

ConceptsとAdvancedである程度、課題をクリアすると、IBM Digital Badges(https://www.ibm.com/community/z/ibm-z-xplore/badges/)を取得できる。このバッジを活用することで、IBM Z Xploreで学習し、スキルを身につけたことを第三者にアピールできる。

学習環境の準備 
アカウント登録とローカルPCのセットアップ

まず、IBM Z Xploreのサイト(https://ibmzxplore.influitive.com/forum/)にアクセスし、アカウントを登録する。アカウント登録を済ませると、アカウントごとにユーザー名とパスワードが付与される。これは後でz/OSへのログオンに使用する。

IBM Z Xploreのサイトから、Fundamentalsの1つ目の課題であるVSC1を選択する。課題の進め方が書かれた英語のPDFをダウンロードし、手順に従ってローカルPCのセットアップを実施する。

学習に必要なツールは、Visual Studio Code(以下、VS Code)、Node.js、IBM Z Open Editorの3つである。インストール完了後、VS CodeからZowe Explorer viewを開き、アカウント登録時に付与されたユーザー名やパスワードなど必要な情報を入力して、z/OSにログオンする。

あとは、VS CodeからIBM zSystemsを操作しながら各課題に取り組んでいく。学習環境のイメージを図表1に示す。

図表1 IBM Z Xplore学習環境のイメージ

3つのレベルで構成される学習プログラム

学習プログラムは、以下の3つのレベルで構成されている。それぞれのレベルで学習できる内容を紹介する。

Fundamentals(初級)

学習時間の目安:10時間
・課題は7個のチャレンジとして提供されている。
・学習環境の準備、VS Codeの使用法やデータセットについて学習できる。
・またJCL、Python、USSなどの基本的な内容をハンズオン形式で学習できる。

Concepts(中級)

学習時間の目安:2時間
・課題は5個のチャレンジとして提供されている。
・Fundamentals のすべてのチャレンジを完了後に、学習できるようになる。
・IBM zSystemsの高可用性、セキュリティ、ミドルウェアなどの知識をクイズ形式で学習できる(VS Codeは操作しない)。

Advanced(上級)

学習時間の目安:10~20時間
・課題は17個のチャレンジとして提供されている。
・Conceptsのチャレンジのうち、2つのチャレンジを完了後に学習できるようになる。
・Advanced の5つのチャレンジを完了すると、Advancedのバッジを獲得できる。
・Db2、Ansibleなどの発展的な内容をハンズオン形式で学習できる。

学習の進め方とフォーラムの活用 

学習の進め方は、基本的に以下のとおりである。

❶ IBM Z Xploreのサイト(https://ibmzxplore.influitive.com/forum/)にアクセスする
❷ 学習したい課題を選択し、英語のPDFの手順に沿って課題に取り組む
❸ ハンズオンであればVS Codeを操作して課題を進め、最後に確認用のJOBをsubmitして、RC=00になることを確認する
❹ IBM Z Xploreのサイトに戻ってCompleteボタンを押下すると、次の課題がアンロックされる

課題に詰まった場合は、フォーラムを活用するのがよい。IBM Z Xploreのサイトのホーム画面を下にスクロールしていくと、フォーラムの掲示板がある。

フォーラムはコミュニティ・ベースになっており、ユーザー同士で課題に対する意見交換を行っている。英語でのやり取りではあるが、課題に詰まったら、フォーラムで質問をする、もしくは類似の質問に対する回答を探すとよい。

IBM Z Xploreは、無料で手軽に始められるIBM zSystemsの学習コンテンツである。現場で活用して、ぜひメインフレーム技術者のスキル向上に活かしてほしい。

(本記事は2022年5月時点のIBM Z Xploreの情報に基づいて執筆しています)。

 

著者
山形 翼氏

日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社
テクニカル・コンピテンシー データ・テクノロジー
ITスペシャリスト

2018年、日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリングへ入社。入社以来、Db2 for z/OS(Db2z)の技術支援を担当。Db2zのバージョンアップ支援や技術検証を行いながら、移行情報や新機能に関する情報を発信している。

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