IBMは4月15日(現地時間)、プロセスマイニングツール・ベンダーのmyInvenioを買収する、と発表した。myInvenioはイタリアに本拠を置く2013年創業のベンチャー企業で、経営母体はロシアのCognitive Technology。
プロセスマイニングとは、ERPや基幹システム、業務システムなどのイベントログを収集・解析して業務プロセスを可視化し、進行状況の監視や問題点の発見、改善のためのインサイトなどを提供する技術。ログを対象に分析するため、正確かつ客観的な情報を得ることができる。
myInvenioのツールは、プロセスマイニング全般の機能に加えて、さまざまなシミュレーションを行える独自機能に特徴がある。たとえば、業務プロセスに自動化機能を追加した場合の効果シミュレーションや、業務プロセスのどこにRPAボットやAIソリューションを適用すると最大の効果が得られるかをリコメンドする機能がある。
IBMはmyInvenioの機能を、AIを活用したビジネス・オートメーション製品のパーツとして組み込む計画。「IBM Cloud Pak for Business AutomationやRed Hat OpenShift上の600以上の構築済みオートメーションポートフォリオと統合する予定」としている。既に昨年(2020年)11月発表の「IBM Cloud Pak for Automation V20.0.3」で対応済みで、今後、RPAや文書処理、ワークフロー、プロセスマイニング、意思決定支援製品などでも提供していく計画。「企業が煩雑なビジネスプロセスを合理化し、イノベーションの遅延やコスト増を引き起こす原因となっているボトルネックの克服を支援」していくという。
IBMは、プロセスマイニングの強化・拡充を進めている。先日(4月1日)もプロセスマイニング・ツールベンダーのセロニス(Celonis)と提携したばかりで、セロニスのツール・知見の活用により、コンサルティングやビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)面を強化するとしていた。
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