日本IBMは3月8日、ジェンダーに関する最新のグローバル調査レポートの日本語版、「女性が拓くAIの未来」を公開した。
同調査は、IBMのシンクタンクであるIBM Institute for Business Value (IBV)が2023年後半に、米国で活躍している約200人の経営層、経営幹部、および中間管理職(男女同数)を対象として調査を実施し、調査データに基づく具体的なアクションを軸に、9名の女性エグゼクティブによる知見を紹介している。
主な調査ポイントは、以下のとおりである。
◎女性のほうが生成AIの導入に対して懸念を持つ傾向にある
AIによる自動化が自分の仕事に取って代わるのではないかと心配する割合は、女性が約半数(46%)であるのに対し、男性は37%に過ぎない。
◎生成AIの導入のペースは男性が女性を上回っている
回答者全体のうち71%は「男性の方が女性よりも生成AIを素早く導入している」、68%は「男性の方がより大きなメリットを感じている」と答えている。また、男性の方が女性よりも生成AIによって仕事の生産性を高められると答える傾向が強い。さらに、生成AIを、雇用市場での競争優位を獲得し(47%対40%)、給与を上げる(38%対28%)ための手段であると考えている男性は女性よりも多い。
◎女性は領域によってはAIツールの試験導入にも積極的
コンテンツの生成、編集、要約にAIを使ったことがある女性は男性よりも多く、40%近くがグラフィック・デザインや画像および動画の生成にAIを利用した経験がある。さらに女性回答者の40%が、生成AIの活用によって生産性が10%以上向上したと回答した。
生成AIを活用して生産性を向上させ、各業界を変革する機会は飛躍的に増えている。生成AIの初期の実用例の多くは、マーケティングやカスタマー・サービスなど、これまで女性が活躍してきた職務領域に集中している。
女性は新たなユースケースを定義する絶好のポジションにいるため、鋭い分析力と優れたコミュニケーション力を組み合わせればチャンスをつかむことができる。そして、チャレンジする女性の数が増えれば、ジェンダー平等を推進し、十分なリーダー候補を用意し、構造的なバイアスを減らすことができる。
同調査の全内容は以下のURLで参照可能
https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/women-leadership-ai
[i Magazine・IS magazine]