ゴールとする絵姿を最初に決定する
IBM iでのマイクロサービス化・ハイブリッドクラウド化を目指したモダナイゼーションのポイントについて、図表1にまとめた。
また図表2に、最新のマイクロサービスやコンテナ、クラウドネイティブに対応することを目的とした、IBM i開発環境モダナイゼーションのゴールを複数段階に定義した。
ユーザーの現状ステップと目指すべきステップを確認し、変革ロードマップを策定する手掛かりにしてほしい。ミクロな視点ではIBM i アプリケーションをモダナイゼーションするために、ゴールを設定し、必要な対応項目を洗い出すこと。マクロな視点では、DX実現に最重要なのはCI/CDであり、IBM iも含めた全システムを包含してDevOps化を推進すること。この両輪を欠かさず、対応することが肝要である。
次に、インフラ視点でのDX実現のための変化点をまとめる。インフラ視点での変更点、考慮点の例として、図表3を挙げる。
Part 1で例示したような改善方針(どのようなポイントを改善するか)、To Beモデル(ゴールとする絵姿)を最初に決定することによって(適時修正が入るにせよ)、新たに検討すべきインフラ要件が明確に識別できるはずである。
あとは比較的容易で、検討すべき項目を具体化し、個々に検討するフェーズになる。新しいテクノロジーが多数登場するはずだが、TO BEモデルを実現することと、目標が明確であれば、ブレることなく実現に向けてプロジェクトを進められる。
図表4に、DX実現を目的として、ハイブリッドクラウド化・マイクロサービス化を目指したインフラ視点の変更点・考慮点の一例を示す。個々の具体論は、機会を改めて伝えたいと思う。
著者|
佐々木 幹雄
システム事業本部 Power Systemsテクニカル・サポート
コンサルタントITスペシャリスト
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特集|IBM iのマイクロサービス化
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[i Magazine 2020 Spring掲載]