日本IBMは6月21日、恒例の年次イベント「IBM i World 2024」を東京・港区虎ノ門の日本IBM本社で開催した。オンサイトの開催は5年ぶりで、定員330人のところ「満員のためお断りしたお客様もおられます」(日本IBM)という盛況だった。
セミナーと展示の2つの構成で、セミナーでは、IBM i&Power市場の動向、IBM i最新技術、IBM i技術者課題の解決策などの紹介があり、さらにユーザー3社による事例発表、COMMON Japanの開催案内など盛りだくさんの内容だった。また展示会場では、アイエステクノポート、クレスコ・ジェイキューブ、クライム、GxP、MONO-Xの5社が出展した。
セミナーの冒頭、日本IBM Power事業部長の原寛世 事業部長は、IBM i事業が「日本を含めてグローバル全体で伸びている」ことを強調した。ワークロードの総量、ラインセンス契約数、サポ-ト契約数のいずれも伸びている。またオンプレミスだけでなくPower Virtual Serverも好調という。
原氏は、IBM iが伸びている理由として3つを挙げた。1つ目は、「Windowsのアプリやオープン系のアプリをIBM iへ統合していこうという動き」である。「セキュリティに強い、サステナビリティの観点、PCを削減できるというところにも着目していただきながら今まで乱立していたいものを再度統合していこうという動きが伸びています」
2つ目は、メインフレームからの移行である。「それも単なるリホストではなく、IBM iであれば運用もかなり安くなりますので、IBM i上でモダナイゼーションも行っていこうというリホスト&モダナイゼーションが増えています」
3つ目は、開発のスピード、新規事業を立ち上げる際の早さである。「新しいアプリは明日作りたいという時に速やかに対応できるIBM iが評価され、注目を集めています」
原氏は次に、「IBM iはIBMの戦略製品であり、製品開発に投資し続けます」として、毎年春・秋のIBM i(OS)への新機能の追加、3年ごとのOSバージョンアップ、Powerプロセッサの技術革新の継続とオンプレミスおよびクラウド双方への実装の継続を挙げ、「これからも安心してIBM iをお使いいただきたい」と熱っぽく語った。
また、「IBM i技術者の不足」という市場全体をおおう課題に対しては、「IBMはメーカーとしてリーダーシップをしっかり発揮し、その課題解決に取り組むつもりです」と述べ、推進中の「IBM i技術者プール」について触れた。
「IBM i技術者の不足が言われますが、私どもの調査ではIBM i技術者はけっこうおられます。そこで日本IBMでは日本中のIBM i技術者を把握してプールし、IBM i技術者の不足でお困りのお客様がおられたらスピーディにご案内できるスキームを現在構築中です。まだスタートしたばかりですが、このスキームがより堅実なものになるようチャレンジしていきます」
7月23日に「IBM i World 2024」(動画配信版)を視聴可能
6月21日開催の「IBM i World 2024」の模様は、7月23日にWebセミナーとして録画視聴できる。
・7月23日「IBM i World 2024」(動画配信版)申込先
https://ibm.biz/iiw20240723
日本IBM講演
・ごあいさつ:原寛世(IBM Power事業部長)
・IBM Power & IBM i(スティーブ・ウィル、ダグラス・ギブス)
・IBM i学びの場の紹介:釘井睦和(IBM Powerテクニカルセールス部長)
・IBM i 最新テクノロジーの紹介:三神雅弘(IBM Powerテクニカルセールス)
・IBM i 技術者課題を解決します:久野朗(IBM Power 事業部 IBM i 統括部)
・ごあいさつ:山崎秀治(IBM i 統括部長)
IBM iユーザー事例
・SBSリコーロジスティクス株式会社
・株式会社トーホー
・株式会社ブレーンスタッフコンサルタンツ
COMMON Japanの紹介
COMMON Japanは、三和コムテックとイグアスが推進している米COMMONのコンテンツを主として紹介する日本版イベント。今年11月6日にリアルイベントの開催が予定されている。
・柿澤浩介(三和コムテック)、ドーン・メイ(米COMMON 前プレジデント)、フロイド・デルムーロ(米COMMONプレジデント)
・7月23日に「IBM i World 2024」(動画配信版)の申込先
https://ibm.biz/iiw20240723
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