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IBM i 7.4・IBM i 7.5への移行が顕著|IBM iユーザー動向調査 2023 調査報告❶ ~利用中のPowerマシンと利用中のIBM i OSバージョン

i Magazineでは「IBM iユーザー動向調査 2023」を今年7月15日~8月31日に実施した。

当編集部が毎年実施している調査で、メディアによるIBM iユーザー対象の動向調査としては日本で唯一である(2020年・2021年はコロナ禍により調査を中止)。

今回は900件以上の回答があり、有効回答数は871件だった。回答は、経産省 産業分類表(大分類)20業種のすべてからあった。IBM i・Powerは業種を問わず広く利用されている。そのうち製造業は全体40.6%、流通・小売・卸売業は23.0%。また回答企業の売上規模も1億円未満~1000億円以上に広く分布し、大中小さまざまな規模の企業で利用されていることがわかった。「売上高100~500億円」企業からの回答が39.2%で最多だった。

当メディアでは今回から数回にわたり、調査結果をご紹介する。初回は、「利用中のPowerマシン」と「利用中のIBM i OSバージョン」である。

図表1は今回の「利用中のPowerマシン」の集計結果、図表2は過去3回の集計結果を並べて推移をみたものである。

図表1 利用中のPowerマシン  2023年調査
図表1 利用中のPowerマシン 2023年調査
図表2 利用中のPowerマシンの推移(2019~2023年)
図表2 利用中のPowerマシンの推移(2019~2023年)

今回の調査結果から、Power9マシンが約半数を占めていることがわかる。前回(2022年)から1.1ポイント増加したが、Power9マシンは前々回(2019年。2020年と2021年はコロナ禍により中止)と前回の間にPower7/7+マシンのEOSや、IBM i 7.1・IBM i 7.2の保守サービス終了、拡張保守サービスの終了があったため、Power7(7+)マシンは、2019年→2022年に47.1%→23.9%へと半減し、Power9マシンは11.2%→48.0%と4倍増になるという大きな移行の動きがあった。各種保守サービスを“従来慣行”よりも前倒しするというIBMのEOS戦略が奏功した結果と見ることができる。

今回の調査では、Power10マシンが登場した(6.4%)。今回の調査時点では、Power8マシンの保守サービスの終了(モデル別に、2024年3月31日、同5月31日、同10月31日)があり、Power8からの移行が含まれている。

図表3は今回の「利用中のIBM i OSバージョン」の集計結果、図表4は過去3回の集計結果を並べて推移をみたものである。

IBM iの各OSバージョンの動きは、Powerマシンの動きとほぼ同期している。

図表3 利用中のIBM i OSバージョン  2023年調査
図表3 利用中のIBM i OSバージョン 2023年調査
図表3 利用中のIBM i OSバージョンの推移(2019~2023年)
図表3 利用中のIBM i OSバージョンの推移(2019~2023年)

前々回と前回の間には、前述したように、IBM i 7.2の保守サービス終了、IBM i 7.1の拡張保守サービス終了があり、IBM i 7.1が30.4%(前々回)→14.6%(前回)、IBM i 7.3が26.7%(前々回)→47.5%(前回)という大きな変化があった。また前回はIBM i 7.4が22.8%をマークしていた。

前回から今回の間では、IBM i 7.3の保守サービス終了(2023年9月30日)やIBM i 7.2の拡張保守サービスの終了(2024年4月30日)が目前にあり、一部のユーザーの移行が調査結果に示されている。IBM i 7.4は22.8%(前回)→35.8%(今回)と13ポイントを増やし、IBM i 7.5は今回初登場で、6.7%をマークした。これに対してIBM i 7.3以前のバージョンは軒並みポイントを減らす結果となった。

IBM iプラットフォームの選択肢としては、オンプレミスのほかにPower Virtual Serverがある。Power Virtual Serverでは、オンプレミスでは保守サービス終了となったIBM i 7.1、7.2、7.3が利用できるメリットがある。

このメリットと、Power8マシンからPower10マシンへの乗り換えが「従来感覚よりもかなり高額」になる点をユーザーはどう評価したか。

今回調査のハイライトの1つは、IBM iプラットフォームのクラウドへの移行が顕著に見られたことだが、そのレポートは次回以降にしたい。

●お知らせ

今週 11月17日(金)16:00~17:00に「IBM iユーザー動向調査2023」結果報告と分析鼎談」と題するWebセミナーを実施します。

ゲストに、日本IBM IBM i統括部長の山崎秀治氏をお迎えし、アイエステクノポート金澤廣志氏とi Magazine編集長の飯田恭子の3者で「IBM iユーザー動向調査2023」調査結果を読み解きます。また、調査結果のハイライトもご紹介します。

ぜひ、ご参加ください。

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