IBMは10月26日、2023年度第3四半期の連結決算を発表した。
総売上高は148億ドル(約2兆2148億円)で、前年同期比3.5増で、為替変動の影響を含めない場合は4.6%増。純利益は前年同期比23%増の20億ドル、1株あたりの利益は22%増の2.20ドルだった。
IBM会長兼CEOのアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)氏は、「今期は、売上高、利益、フリーキャッシュフローともに堅調な伸びを示すとともに、イノベーションを実現し、将来の事業機会を捉えるためのポジショニングを確立できました」と記者発表で語った。
また「今期の成果」とする生成AIラットフォームについて持ち時間の半分以上を割いて説明し(図表)、「生成AIに関する今期の売上高は数億ドル台の前半」と語った。
部門別の業績は以下のとおり。
ソフトウェア事業
◎全体
売上高63億ドル、7.8%増(為替変動の影響を除いた場合は6.3%増)
◎分野別
・ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューション:8%増(為替変動の影響を除いた場合は7%増)
・Red Hat:9%増(為替変動の影響を除いた場合は8%増)
・自動化(Automation):14%増(為替変動の影響を除いた場合は13%増)
・データ&AI:6%増
・セキュリティ:2%減(為替変動の影響を除いた場合は3%減)
・トランザクション・プロセッシング:7%増(為替変動の影響を除いた場合は5%増)
◎ハイライト
・Red Hatは、OpenShiftとAnsibleが今期も好調だった。
・ハイブリッドクラウドは、本四半期の予約件数が14%増加した。
コンサルティング事業
◎全体
売上高50億ドル、5.6%増(為替変動の影響を除いた場合は5%増)
◎分野別
・ビジネス・トランスフォーメーション:6%増(為替変動の影響を除いた場合は5%増)
・テクノロジー・コンサルティング:2%増(為替変動の影響を除いた場合は1%増)
・アプリケーション・オペレーション:7%増(為替変動の影響を除いた場合は8%増)
◎ハイライト
・3つの事業ラインと地域のすべてで収益が増加した。
・ハイパースケーラー(クラウド)の売上高は前年比で40%増加、契約件数では倍増した。
インフラストラクチャ事業
◎全体
売上高:33億ドル、2.4%減(為替変動の影響を除いた場合は3.2%減)
◎分野別
・ハイブリッド・インフラストラクチャ:1%増(為替変動の影響を除いた場合は横ばい)
・IBM Z:9%増
・分散インフラストラクチャ(Power、ストレージなど):4%減為替変動の影響を除いた場合は6%減)
・インフラストラクチャ・サポート:6%減(為替変動の影響を除いた場合は7%減)
◎ハイライト
・IBM Zは季節的に収益が減少する四半期において9%増となった。
・Z16の売上は、発売開始後6四半期を経過したが、前サイクルを上回っている。好調の理由は、ワークロード要件の増加と、z/OSとLinuxの統合が進んだため。
地域別
・南北アメリカ:77億ドル、4%増
・EMEA(欧州・中東・アフリカ):42億ドル、横ばい
・アジア太平洋:28億ドル、7%増
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