IBMは1月26日(米国時間)、2022年第4四半期の業績を発表した。総売上高は167億ドル(約2兆1700億円)で、前年同期と増減なし(為替変動の影響を除いた場合は6%増)。当期純利益は前年同期比9%増の33億ドル、1株あたりの利益は3.60ドルで、アナリスト予想の3.59ドルを上回った。
今期および通期の業績について会長兼CEOのアービンド・クリシュナ氏は記者会見で、「成長は、ソフトウェア、コンサルティング、インフラストラクチャの各部門、および地域を横断するもの。当社のポートフォリオ、Go-to-market、エコシステムの進展に満足しています」と述べ、以下に言及した。
・コンサルティングの専門性を強化し、戦略的パートナーシップを拡大した。
・ソフトウェア・ポートフォリオを強化するため、ハイブリッド・クラウドとAI機能に投資した。
・z16とPowerプラットフォームにより、インフラストラクチャに大きなイノベーションをもたらした。
・2022年は1桁台半ばの収益成長率を達成し、堅実なフリー・キャッシュ・フローを実現した。
・2023年は、さらに戦略的パートナーシップを拡大し、特定の成長市場に対してより多くの投資を行う予定。
・2023年は、1桁台半ばの売上成長と、約10.5億ドルのフリーキャッシュ・フローを見込む。
各部門の業績は以下のとおり。
ソフトウェア事業
◎全体
売上高73億ドル、8%増(為替変動の影響を除いた場合。以下同じ)
◎分野別
・ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューション:10%増
・Red Hat:15%増
・自動化(Automation):9%増
・データ&AI:8%増
・セキュリティ:10%増
・トランザクション・プロセッシング:3%増
◎ハイライト
・各事業領域で好調。
・OpenShiftの年間経常収益は10億ドルに達した。
・Red Hatの収益はOpenShiftとAnsibleが好調で、ともに2桁成長し、市場シェアを拡大した。
・トランザクション・プロセッシングの3%増は、zSystemsのインストールベースの容量増による。好調な更新率は今期も続いた。
・ソフトウェア事業のハイブリッドクラウドの売上高は93億ドルで、前年同期比16%増。
コンサルティング事業
◎全体
売上高48億ドル、9%増
◎分野別
・ビジネス・トランスフォーメーション:7%増
・テクノロジー・コンサルティング:10%増
・アプリケーション・オペレーション:12%増
◎ハイライト
・第4四半期は今年度最高の四半期別受注高となった。
・戦略的パートナーシップの売上高は全体で50%増。
・AzureとAWS関連の売上高は2倍以上に増加。
・コンサルティング事業のハイブリッドクラウドの売上高は90億ドルで、前年同期比23%増。
インフラストラクチャ事業
◎全体
売上高:45億ドル、7%増
◎分野別
・ハイブリッド・インフラストラクチャ:7%増
・IBM Z:21%増
・分散インフラストラクチャ(Power、ストレージなど):5%増
・インフラストラクチャ・サポート:変わらず
◎ハイライト
・分散型インフラストラクチャの業績は、Power10の好調に後押しされたもの。
・インフラストラクチャ事業のハイブリッドクラウドの売上高は39億ドルで、前年同期比11%増。
地域別
・南北アメリカ:84億ドル、5%増
・EMEA(欧州・中東・アフリカ):52億ドル、10%増
・アジア太平洋:30億ドル、5%増
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