IBMは7月19日(米国時間)、2022年第2四半期の業績を発表した。総売上高は155億ドル(約2兆0615億円)で、前年同期比9%増(為替変動の影響を除いた場合は16%増)。
今期の業績について会長兼CEOのアービンド・クリシュナ氏は、「第2四半期は、戦略実行のために行ってきた投資や改革を反映し、堅調な業績を達成しました」と、記者会見で語った。
またCFOのジェームズ・カヴォノー氏は、「当社はここ数年、プラットフォーム中心、ハイブリッドクラウド、AI戦略を実行するために行動を起こし、投資を行ってきました。IBMは今、それらの分野に以前よりも集中し、より価値の高い企業になっています」と胸を張った。
第2四半期の主な業績ハイライトは、次のとおり(%は前年同期比)。
・ソフトウェア事業の売上高は6%増で、為替変動の影響を除いた場合は12%増。
・コンサルティング事業の売上高は10%増で、為替変動の影響を除いた場合は18%増。
・インフラストラクチャ事業の売上第2四半期高は19%増で、為替変動の影響を除いた場合は25%増。
・ハイブリッドクラウドは、売上高全体の36%を占め、過去12カ月では16%増の217億ドル。
・フリー・キャッシュフローは、第2四半期は20億ドル超となり、上期は33億ドル。過去12カ月の純現金収入は46億ドル。
セグメント別の業績は、以下のとおり(%は前年同期比、為替変動の影響を除いた場合)。
ソフトウェア事業
◎全体
売上高62億ドル、12%増
◎分野別
・ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューション:9%増
・Red Hat:17%増
・自動化(Automation):8%増
・データ&AI:4%増
・セキュリティ:5%増
・トランザクション・プロセッシング:19%増
◎ハイライト
・ソフトウェア事業におけるハイブリッドクラウドの売上高は、過去1年間で90億ドルとなり、前年比23%増。
・成長を牽引したのは、ハイブリッドクラウドとAI。
・ハイブリッドクラウド・プラットフォームの顧客は、2022年第2四半期に250社以上増え、計4000社以上になった。
・ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューション事業の年間経常収益は、約129億ドルで、8%増。
・Red Hat分野は17%増となった。RHELとOpenShiftの比率が拡大した。
・サブスクリプションとサポートの更新率による業績は、ソフトウェア事業の80%を占める
コンサルティング事業
◎全体
売上高48億ドル、18%増
◎分野別
・ビジネス・トランスフォーメーション:16%増
・テクノロジー・コンサルティング:23%増
・アプリケーション・オペレーション:17%増
◎ハイライト
・コンサルティング事業におけるハイブリッドクラウドの売上高は、過去12カ月86億ドルで、前年比32%増。
・第2四半期におけるRed Hat関連のコンサルティングの収益は、前年同期比でほぼ倍増した。
・パートナーシップからの収益は、Azure、AWS、SAP、Salesforceが牽引し、2ケタ増の堅調な伸び。
・テクノロジー・コンサルティング分野は23%増となり、クラウドのモダナイゼーションとクラウドアプリケーションの開発が成長の大部分を占めた。またオンプレミスのモダナイゼーションも好調に推移した。
インフラストラクチャ事業
◎全体
売上高:42億ドル、25%増
◎分野別
・ハイブリッド・インフラストラクチャ:41%増
・IBM Z:77%増
・分散インフラストラクチャ(Power、ストレージなど):17%増
・インフラストラクチャ・サポート:5%増
◎ハイライト
・インフラストラクチャ事業におけるハイブリッドクラウド売上高は42億ドルで、前年同期比25%増。
・IBM Z部門の売上高は77%増となったが、z15からの勢いに加えて、z16の堅実な成長が反映された。
・分散型インフラストラクチャ部門は5%増となった。z16の影響でハイエンド・ストレージと分散型ストレージの両方が好調だった。
・Power10のハイエンドサーバーも好調だった。
地域別
・南北アメリカ:81億ドル、15%増
・EMEA(欧州・中東・アフリカ):45億ドル、17%増
・アジア太平洋:29億ドル、15%増
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