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IBMの1Q決算、前年同期比8%増、「今期の好業績は事業変革の成果を反映するもの」 ~ソフトウェアとコンサルティングが好調、ハイブリッドクラウドの顧客は4000社以上に

IBM 四半期決算 (2012年1Q~2022年1Q)
IBM 四半期決算 (2012年1Q~2022年1Q)

IBMは4月19日(現地時間)、2022年第1四半期の業績を発表した。総売上高は142億ドル(約1兆8300億円)で、前年同期比8%増(2021年第1四半期のキンドリル分を除いた売上高との対比)。

今期の業績について会長兼CEOのアービンド・クリシュナ氏は、「ハイブリッドクラウドとAIに対する市場の強い需要が、ソフトウェア事業とコンサルティング事業の成長を牽引した。この結果は、当社の戦略に対する自信をさらに深めるものになった」と、記者会見で胸を張った。

またCFOのジェームズ・カヴォノー氏は、「当社はここ数年、ハイブリッドクラウドとAI戦略を推進するために、ポートフォリオの最適化、オペレーションの合理化、資本配分と財務プロファイルの改善に取り組んできた。今期の業績は、この事業変革の成果を反映するもの」と語った。

ロシア-ウクライナ戦争の影響については、「ロシアにおけるビジネスは売上高約3億ドル、利益約2億ドル規模なので、それほど大きな影響は受けない」(カヴォノー氏)とした。

第1四半期の主な業績ハイライトは、次のとおり(%は前年同期比)。

・ソフトウェア事業の売上高は12%増。
・コンサルティング事業の売上高は13%増。
・インフラストラクチャ事業の売上高は2%減。
・ハイブリッドクラウドは14%増で売上高50億ドル。売上高全体の35%を占める。過去12カ月では17%増の208億ドル。

セグメント別の業績は、以下のとおり(%は前年同期比)。

ソフトウェア事業

◎全体

売上高58億ドル、12%増

◎分野別

・ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューション:7%増

  ・Red Hat:18%増
  ・自動化(Automation):3%増
  ・データ&AI:2%増
  ・セキュリティ:5%増

・トランザクション・プロセッシング:26%増

◎ハイライト

・ソフトウェア事業におけるハイブリッドクラウドの売上高は21億ドルで、対前年同期比22%増。

・ハイブリッドクラウド・プラットフォームの顧客は、2022年第1四半期に200社増え、計4000社以上になった。

・ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューション部門は、Red Hat、自動化(Automation)、データ&AI、セキュリティの全事業分野で売上を拡大した。それぞれの事業分野で、ハイブリッドクラウドとAIに焦点を合わせて事業を推進した。

・Red Hat分野は18%増となった。RHELとOpenShiftの比率が拡大した。

・自動化(Automation)部門の成長を牽引したのは、AIOpsとManagement and Integration。

・データ&AI部門では、データファブリック、データマネジメント、アセット&サプライチェーン・マネジメント、データ共有が成長した。Cloud Pak for Data、DB2、Maximo Application Suiteも成長した。

・セキュリティ部門では、脅威管理(Threat Management)とデータセキュリティが成長した。

ソフトウェア事業の部門別売上高の比率(2021年実績)
ソフトウェア事業の部門別売上高の比率(2021年実績)

コンサルティング事業

◎全体

売上高48億ドル、13%増

◎分野別

・ビジネス・トランスフォーメーション:15%増
・テクノロジー・コンサルティング:14%増
・アプリケーション・オペレーション:10%増

◎ハイライト

・コンサルティング事業の全部門・全地域で、売上高および契約数が2ケタの成長率。契約数は40%以上の伸び。

・コンサルティング事業におけるハイブリッドクラウドの売上高は21億ドルで、前年同期比24%増。過去12カ月の累計は32%増の83億ドルで、コンサルティング事業の45%を占める。

・ビジネス・トランスフォーメーション部門は、テクノロジーと戦略的コンサルティングとの組み合わせによる、重要なワークフローを大規模に変革する分野。特にカスタマー・エクスペリエンス、人材、データ・トランスフォーメーション、サプライチェーン、財務会計アプリケーションの各領域の取り組みが大きく成長した。

・テクノロジー・コンサルティング部門では、クラウドの導入に向けたアプリケーションの開発・近代化に関する案件が牽引し、売上が拡大した。

・アプリケーション・オペレーション部門では、クラウド・アプリケーション管理が売上増の牽引役になった。

・2022年第1四半期に完了した2件の買収を含め、過去18カ月間に買収した12件の企業の事業を拡大中。既存のリソースのスキルアップ、資格の追加、ハイブリッドクラウドやAI分野での技術スキルの導入など、従業員全体の人材に投資をしている。

コンサルティング事業の部門別売上高の比率(2021年実績)
コンサルティング事業の部門別売上高の比率(2021年実績)

インフラストラクチャ事業

◎全体

売上高:32億ドル、2%減

◎分野別

・ハイブリッド・インフラストラクチャ:5%減

 ・IBM Z:19%減
 ・分散インフラストラクチャ(Power、ストレージなど):5%増

・インフラストラクチャ・サポート:増減なし

◎ハイライト

・インフラストラクチャ事業におけるハイブリッドクラウド売上高は7億ドルで、前年同期比20%減。

・IBM Z部門の売上高は19%減少したが、この減少は製品サイクルのダイナミズムによるもの。最新ソリューションのIBM z16をこの4月に発表した。前世代のz15は過去最高のMIPSを出荷し、好調だった。

・分散型インフラストラクチャ部門は5%増となった。最新のPower10ハイエンドシステムが好調だった。SAP HANAユーザーのデータ集約型ワークロードに対するニーズの高まりが牽引した。

インフラストラクチャ事業の部門別売上高の比率(2021年実績)
インフラストラクチャ事業の部門別売上高の比率(2021年実績)

地域別

・南北アメリカ:71億ドル、9%増
・EMEA(欧州・中東・アフリカ):42億ドル、8%増
・アジア太平洋:29億ドル、5%増

 

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