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プロジェクトdX|デジタルトランスフォーメーションで高度化する事業活動(田中良治)

企業が先端テクノロジーを最適活用し事業活動を高度化して社会に貢献する中では、「絆」「連帯」「利他主義」を重視した企業活動にシフトする必要性に迫られると予想されます。

これまで以上に1人1人に寄り添い、真に社会と人(生活も働き方も)に貢献することを使命にするという発想に切り替え、企業価値向上を目指すことが求められてくるのだと思います。

図表 デジタルイノベーションで高度化する事業活動

20年前、気候変動への対処など環境への考慮は、今すぐに対応しないと困るような短期的なリスクではないという認識でした。それが今や、地球規模で取り組む課題としての危機感が高まっています。

グローバルでは、もう20年も前からこれにアテンションして取り組んでいる企業がある中、日本はその着手に遅れてきた感は否めません。

日本ではここ数年、SDGs、ESG投資なんてキーワードが着目されていますが、もっと前から、その必要性、重要性にアンテナをはったグローバル企業はたくさんあったのです。

企業のパーパス=存在価値が自社主義ではない、儲けるだけではない、社会に貢献できることが求められていることに、日本の企業も積極的に取り組むようになりました。

不確実性の高まる未来に向かう中では、人間中心に軸足をシフトすることが必然となり、そしてその実現に取り組むようになったのです。

会社のパーパスは、社会への具体的貢献値にシフトする時代に新化していく中で、企業各々が果たすべき役割から、その存在価値を訴求しなければなりません。

パーパスは存在意義と定義され、今、企業に必要なものとして、ビジョンやミッションにプラスして注目されています。ハーバードビジネススクールで注目されて以降、日本の経営者もこれに着目するようになりました。

企業の存在意義を社員が腹落ちすることは、ゴールを共有する、また価値観を認知・共有することだと思います。組織もしくはチームに属する全員が認知共有できる価値観、ゴールを持てることは、それをもとに社員1人1人が自ら考え、判断し、行動できるようになることにつながり、それは今の経済活動に必要とされる、とても重要なことだと思います。

身近に接するお客様の課題を集積した時、そこに共通する、内在する社会的課題を見出せたら、それを改善する、解決するために尽くすことに携わる社員は、自分たちの存在価値として認知・共有できるようになると期待できます。

存在価値と企業のパーパスが合致していると社員が認知・共有できた時に、社員はパーパスが腹落ちした状態にシフトし、組織の力が倍増するほどに大きな効果をもたらすはずです。

そしてそういった人材が支える組織の文化は、社員のプロアクティブな行動と思いで、刷新される相乗効果をもたらします。正解のない今において、自身や会社の存在価値に誇りを持てたら、どんなにいいかと、最近つくづく思います。

私自身、変わる勇気を持って、会社の変革に少しでも貢献するために尽くしたいと思っています。正しいと思うことを前に進める勇気を持ち続け、同じ思いを持つ同志を社内に少しでも増やしたいと日々取り組んでいます。

一方でこれまで我々が培ってきたことで、お客様や社会に貢献してきた、変えてはいけない価値は、変わらない勇気を持って、守っていきたいと思います。

田中 良治
株式会社ソルパックCDTO 取締役
(一般社団法人CTO協会、一般社団法人プロジェクトマネジメント学会所属)

 


プロジェクトdX|実現を支えるプロフェッショナルの流儀は人間力

第1回 今こそ変革の武器に! 日本企業の持つ強みは元サッカー日本代表監督イビチャ・オシム氏も評する“現場力”

第2回 変革実現に求められる企業カルチャー(前編) ~対極の発想をする

第3回 変革実現に求められる企業カルチャー(後編)~経営層の意識改革

第4回 DXプロジェクトがこれまでのプロジェクトと異なる理由

第5回 迫られる企業経営変化への対応と変革に必要とされる3つのエンジン

第6回 これから企業が取り組むべく3つのトランスフォーメーション・ロードマップ 

第7回 デジタル先進企業へ進化するための3つのポイント

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