HelpSystemsは、恒例のIBM iユーザー調査「2022 IBM i Marketplace Survey Results」を発表した。
今回で8回目で、2021年9~10月にWeb回答方式で調査を行い、南北アメリカを中心に欧州などから「約450件」の回答があった。日本からの回答はない。
今回はPower10の発表(2021年9月)直後の調査で、IBM iユーザーの関心が注目されるところ。「2022年にハードウェア/ソフトウェアのアップグレードを行う予定」の有無を尋ねた設問には、ハードウェア=10%、ハードウェア/ソフトウェアの両方=28%との結果だったが、「Power10へのアップグレードを検討する」との回答は73%に上った。
今回の調査では、OS(IBM i)とマシンの移行が着実に進んでいることがわかった。2021年4月にサポート(プログラムサービス)が終了したIBM i 7.2は、前回調査よりも10ポイント減って8%。IBM i 7.3は5ポイント増えて56%、IBM i 7.4は11ポイント増えて26%だった。下図を見ると、IBM i 7.1以前のユーザーがIBM i 7.3へ、IBM i 7.2ユーザーがIBM i 7.4へと、1世代をスキップして移行している状況がうかがえる。
マシンのほうは、EOS(保守サービス終了)を迎えているPower6以前とPower7が前回調査よりそれぞれ5ポイント、8ポイント減り、10%と24%。これに対してPower8は5ポイント減の49%、Power9は13ポイント増えて55%だった。
IBM iをオンプレミス/クラウド/ハイブリッドのどのような形態で利用しているかの調査では、78%がオンプレミスのみ、7%がクラウド(およびホスティング/ハウジング)のみ、残り15%がハイブリッド利用だった。
IBM iユーザーの懸念事項は、「セキュリティ/ランサムウェア」62%、「HA・DR」59%、「モダナイゼーション」56%がトップ3。依然としてセキュリティ/ランサムウェアに対する懸念が高いが、前回調査よりも13ポイント減少している。4位以下は、「IBM iのスキル」53%、「IT/ビジネスの自動化」33%、「データ増大化」24%が続く。
セキュリティに関する課題は、次のような結果である。
・セキュリティに関する知識やスキルの不足:47%
・脅威が常に変化していること:42%
・セキュリティ管理と業務効率のバランス:38%
・テクノロジーの急速な進化(モバイル、IoT、クラウドなど):30%
・政府や業界の規制の複雑さ:24%
・経営陣によるセキュリティ・リスクの過小評価:23%
・セキュリティ・プロジェクトに関する予算不足:22%
IBM i上の新規開発に利用している言語は、下図のような結果だった。RPGが圧倒的に多く93%。これは前回よりも6ポイントの増加。2位はSQLで77%という結果だった。前回調査との対比で、Python(15%→19%)とNode.js(13%→17%)と増えているのが目につく。
IBM iの今後については、全アプリケーションを別プラットフォームへ移行する予定であるのが10%、一部アプリケーションを別プラットフォームへ移行するのが13%。これに対して、IBM iを拡充するのが24%、変化なしが43%だった。別プラットフォームへの移行先としては、クラウドが49%、Windows=44%、Linux=36%などを予定しているという。
HelpSystemsのオンラインイベント「2022 IBM i Marketplace Survey Results Revealed」
https://www.helpsystems.com/resources/webinars/2022-ibm-i-marketplace-survey-results-revealed-apac
[i Magazine・IS magazine]