米オンライン・メディアのThe Stackは6月8日付け記事で、IBM ZやPowerプロセッサのチーフアーキテクトを務めてきたアンソニー・サポリート(Anthony Saporito)氏のGoogleへの移籍を、「Googleによる引き抜き」と報じている。
サポリート氏は2001年にIBMに入社し、IBM Systems部門に所属してPowerプロセッサおよびIBM Zプロセッサの分岐予測や命令フェッチ、キャッシュの設計に従事してきた。最近はチップ上へのAIの展開やハードウェア・アクセラレーションの設計に注力し、IBMが昨年(2021年)8月に発表した、AI推論アクセラレータ搭載の7nmプロセッサ Telumも、「同氏の成功の1つ」という。
The Stackは、今回の“引き抜き”は、Googleが半導体部門強化の1つとして行っている他社トップエンジニア採用の一環で、とくに1チップ上に重要機能を集積する「System-on-a-Chip」とAI推論ハードウェアの重要性が高まっているため、その分野に精通するサポリート氏に目を付けたという趣旨の記事を展開している。
サポリート氏のGoogleにおけるポジションは、「Chief Architect, Next Generation CPU」。同氏はLinkedInへの投稿で、「Googleの皆んな、一緒にディスラプティブなテクノロジーを提供しよう!」と記している。
・The Stack記事「Google、“次世代”CPUのリーダーにIBMからチップの達人を引き抜き(Google poaches chip guru from IBM to lead its “next-gen” CPU)」(英語)
https://thestack.technology/next-generation-google-cpu-anthony-saporito/
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